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ホンモノノスキ  作者: リンゴ
言えない本音
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答え①     蓮視点

今日は河瀬さんと水族館に行く日だ。これまでは食事に行くだけだったが、今回は違う。デートだ。


もしかしたら今日河瀬さんとの関係が変わるかもしれない。薄々であるが、河瀬さんから好意を寄せられているのではないかと感じることがあった。


河瀬さんは文句なくかわいいし、性格も良いと思う。自分とは到底釣り合わない女性だ。そんな人と付き合えたらどんなに嬉しいことだろう。


彼女は想像以上に積極的だった。だが、いつまでも受け身ではいけない。彼女に告白をさせたくないと思う。


最初から答えは決まっている。俺から言うんだ・・・俺は・・・



・・・


水族館の最寄りの駅に着き、集合場所の噴水公園に向かった。30分前だ。


「今回は先に着くことができたか・・・」


彼女は20分前にはいつも来ていたので、今回は30分前には着いておこうと思っていたのだ。


少し落ち着いておきたかったのだ。


「寺沢さん!こんにちは!同じ電車に乗っていたみたいですね。」


「・・・そうみたいだね。」


落ち着く時間はなかったようだ。


「じゃあ、行きましょう!」


「今日は楽しみだなぁ・・・」


「水族館好きって言ってましたもんね。」




2人は水族館に入り、館内を巡る。


「寺沢さん!あの大きい魚すごくないですか?」


彼女が無邪気に笑う。


眩しいと思う。この笑顔を曇らせることはあってはならないと思う。


「おおーすごい、すごい。」


蓮は幸せだった。この彼女と過ごす時間がずっと続けばと思う。この笑顔を独り占めできたらとも思う。



・・・


「水族館って久しぶりに来ましたけど、いいですねー。」


2人は水族館を巡り終わって、近くの喫茶店に来ていた。


「でしょ。俺もたまにきます。」


「・・・誰とですか?」


河瀬さん不安そうな顔で質問する。


「残念ながら、一人です・・・一緒に行く人がいなかったので・・・」


「私行きたいです!ぜひ行きましょう!」


「うん。今度行くときは誘ってみるよ。」


「待っています。」


この後も2人はケーキを食べながら、今日の水族館の感想を話した。


最初に出会った頃より、蓮も話せるようになった。自分でもこんな話せるようになるとは思っていなかった。


河瀬さんとの会話は楽しい。知らないことを話しても会話に食いついてくれるし、次に会う時には調べてくれていたりしてくれる。


河瀬さんから美味しいお菓子を教えてもらうことで、蓮も知らない世界を知ることができた。


心の距離が近づくということはこういうことなんだと蓮は初めて知った。



・・・


日が傾き始め、二人は公園を歩いていた。


「ここから夜景がきれいなんです。見ていきませんか?」


「いいね。もうちょっと時間ありそうだし、飲み物買ってくるよ」


「一緒に行きましょう。」


八瑠佳はカフェオレ、蓮はコーヒーをそれぞれ購入し夜景の見える場所に戻ってきた。夜景が見え始めて、まわりにはカップルが増え始めていた。きっと蓮たちもカップルに見えただろう。



「きれいですねー。」


河瀬さんは少しソワソワしながら、蓮の方を見る。


「そうだね・・・。」


蓮は夜景を見ながら答える。



「「・・・・・・・・・・」」


2人の間に沈黙が流れる。


「寺沢さん・・・話があるんですけど・・・!」


八瑠佳は絞り出したような声で蓮に話しかける。


「待って、俺からも話がある。俺から言わせてほしい。」


蓮は深く深呼吸をして話始めた。


「俺は・・・」

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