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ホンモノノスキ  作者: リンゴ
言えない本音
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告白     舞風優視点

八瑠佳が寺沢さんと食事に行ってから2週間がたった。もう梅雨に入ろうかという時期だった。


今日は八瑠佳と会うことになっている。彼女の後輩も来るらしい。


寺沢さんとの食事のことはその日のうちに電話があっておおよその話は聞いている。多分今日は電話で話せなかったことも話すことになるのだろう。


八瑠佳にはまだ、異動の件は話していない。先日正式に9月に移動が決まったばかりだ。今日話そうとは思っている。


待ち合わせ場所に着いたが八瑠佳はまだ来ていないようだ。


「八瑠佳の後輩は話には聞いていたけど、仲良くなれるかなぁ・・・」


舞風優は仕事で色々な人に話を聞くことが多いため、初対面の人と話すのは苦手ではない。しかし、仲良くなるということは得意ではなかった。そんなことを考えていると、八瑠佳が近づいてくるのが見えた。一緒にいるのが八瑠佳の後輩だろう。


「八瑠佳ー。」


舞風優は手を振って、八瑠佳を呼ぶ。


八瑠佳も気づいたようで、こっちに向かってくる。


「初めまして、八瑠佳さんの後輩の森田(もりた (しおりです。今日は無理言って、ご一緒させてもらってすみません。」


「全然気にしていませんよ。今日はよろしくね。」


「じゃあ、あいさつも終わったことだし、喫茶店に行こうよ。」


八瑠佳は2人に声をかけ、目的地に案内をする。




「ええー、金沢に異動!?いつ?」


場所を喫茶店に移し、会話の中で舞風優は異動の件を話す。八瑠佳は驚きを隠せないようだ。


「今のところ9月に異動する予定。あと三ヶ月くらいかな。」


「寂しいよー。」


「金沢ですかー。微妙に遠いですね。けど会えない距離ではないじゃないですよ。」


栞が八瑠佳を励ます。


「私の姉金沢にいるんですよ。半年に一回ぐらい会ってますよ。八瑠佳さんには言ったことあるような・・・」


「聞いたことある気がする・・・」


「そうなんだ。会えるんだからそう寂しそうな顔しないで。ほら、ケーキきたよ。」


ちょうどデザートのケーキが届いた。





「で、寺沢さんとはデート後どうなの?」


「デートかぁ・・・デートって言っていいのかな?」


「まあ、何も知らない人から見たらデートに見えるでしょうね・・・」


「デートでいいよね!?」


「「・・・」」


舞風優と栞は八瑠佳に少し気圧されてしまった。


「いいんじゃないの。その後遊びに行ったりした?」


「・・・実は昨日行った・・・」


「マジですか!?私聞いてませんけど。」


栞が食いつく。


「昨日のことだし・・・」


「で、どうでした?」


・・・


2人の会話はヒートアップしていく。そんな2人を見ながら、舞風優はもう自分がいなくなっても大丈夫だなと感じていた。寺沢さんとも上手くいってるようだ。だが、同時に少し寂しさも感じた。


「告白って早いかな?」


「なんとも言えないですね・・・」


「いいんじゃない?告白しても。」


八瑠佳と栞がこちらを見る。


「2回目も来てくれたし、脈アリでしょ。今度どこか行く予定はあるの?」


「まだない・・・」


「告白するなら、カフェもいいですけど、もっとデートらしいところ誘いましょうよ。遊園地とか。」


「確かに。どこに行こうかなぁ。」


・・・・


3人での会話は盛り上がり、八瑠佳の告白は水族館に行って、その後に近くの公園で行うということになった。


舞風優は解散したあと、今日の夕飯をスーパーで購入し帰宅した。


「八瑠佳上手くいくといいなぁ・・・」


今日は自分にしては、八瑠佳を急かしてしまった気がする。


ただ話を聞く限り、告白もうまくいくと思う。あんなカワイイ女の子に告白されて断る人はいないだろう。寺沢さんは幸せ者だ。


自分がいなくなっても、彼氏がいたら彼女も寂しくないだろう。だからか、結論を八瑠佳に急がせてしまったのかもしれない。




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