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ホンモノノスキ  作者: リンゴ
ウソの中のホンモノ
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それから     蓮視点

俺と神谷さんが想いを伝えあった日、俺たちは連絡先を交換した。


それからは毎日連絡を取っている。

俺たちは恋人という時間を友達のように過ごしていた。


今までの時間を取りもどすように、ゆっくりとお互いのことを知っていった。

好きな食べ物、好きな芸能人などどうでもいいことを話した。


森田さんにも報告をした。

彼女はまるで自分のことのように喜んでくれた。


俺の毎日は少しずつ変わっていった。

もう3ヶ月が過ぎた。

あっという間だった。


「お待たせ。」


「お疲れ様。」


神谷さんに近づく。

俺たちはできるだげ、仕事終わりに会うようになった。


「今日は遅かったね。」


「ちょっと残業してしまった。連絡すれば良かったね。ご・・」


「ごめんは言わない約束でしょ・・・」


「・・・そうだったね」


これも俺たちの決めたルールだ。

ごめんは言わない。これもルールだ。


「今日は、ラーメンにしない?無性に食べたくなって・・・」


「いいね。俺も食べたい。」


俺たちは歩き出す。


横に並んで歩く。

今日会ったことなどを話しながら、ラーメン屋に向かった。






2人でラーメンを食べて外に出る。


「美味しかったー。」


「やっぱりみそ味のラーメン好きだな、俺。」


「私も。」


「じゃあ、今日も家まで送るよ。」


「うん。お願いします。」


ゆっくりと並んで歩く。

これも慣れてきた。


「あのさ・・・」


「どうかした?」


「ずっと、考えたんだけど・・・」


神谷さんにしては歯切れが悪い。


「私、名古屋に行こうと思う。」


「・・・・・うん。」


「八瑠佳にしっかりと報告したい。」


「そうだね。俺もそう思う。」


八瑠佳の件はお互い考えていたが、なかなか言い出せなかった。

俺も何とかしたいと思っていた。


「俺もついて行っていい?」


「うーん・・・最初は私と八瑠佳の2人っきりで話したい。」


「・・・・わかった。違う場所で待っているとかでいいかな?」


「うん。わかった。」


「怖い?」


「少しね・・・でも、これは必ず超えなきゃいけないことだから。」


はっきりと言い切った。


俺は黙って神谷さんの手を握る。


「・・・・ありがとう。うれしい。」


「俺にはこれくらいしかできないけど・・・」


「そんなことない。十分すぎるよ。」


俺たちは手をつないだまま、神谷さん家までいつもよりゆっくり歩いた。

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