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ホンモノノスキ  作者: リンゴ
ウソの中のホンモノ
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今度こそ     舞風優視点

「言えた・・・」


私は千愛希と別れた後、自宅に帰った。

自宅に帰って扉を閉めた後、玄関で座り込んでしまった。


八瑠佳の時は自分の想いを打ち明けることができなかった。

今度は自分の想いを伝えることができた。


喧嘩になると思っていた。軽蔑されると思っていた。

しかし、千愛希は認めてくれた。


色々な感情が溢れて、涙をこらえきれなかった。


きっと千愛希でなければ、許してもらえなかったと思う。

おかげで私も千愛希と寺沢さんが付き合うことになっても、納得できるだろう。


千愛希と同じく嫉妬してしまうだろう。

結構長い時間。

でも、後悔はないだろう。


「よし・・・」


私は立ち上がった。


千愛希と寺沢さんのデートは今週と言っていた。

告白すると言っていた。


千愛希と恋敵でいる期間は短そうだ。

結末は近い。


私はスマホで電話をかける。

八瑠佳だ。



プルルルル・・・・・


電話音だけが虚しく響く。


八瑠佳には私の決意を聞いてもらいたかった。

たまに電話をしたり、メッセージを送るが返ってきたことはない。




今更ですが、私は寺沢さんのことが好きです。

やっと、認めることができました。

友人にも打ち明けることができました。


あの時も同じことができていたのであればと今でも思います。


八瑠佳には悪いと思いましたが、想いを伝えました。

まだ答えはもらっていません。


結果が出たら、またメッセージを送ります。





私は返ってこないメッセージを送った。


今私がやっていることは自己満足の延長線上でしかない。

まだ、私の罰は終わっていない。

それだけのことを私は八瑠佳にした。


まだ和解するのには時間がかかるだろう。

でも、千愛希の次には八瑠佳に報告し続ける予定だ。



テレビをつけると天気予報がやっていた。

週末は雪が降るらしい。


千愛希のことだ。きっと結果がどうなっても結果を伝えてくれるだろう。

心構えをしておかなければ・・・


でも、千愛希が付き合うことになったら、こころからおめでとうと言うのは決めている。

それだけだ。



結果を聞きたくもないし、聞きたい気持ちもある。

現実は残酷であることは嫌というほど味わっている。


本当に私たちはどうなってしまうのだろうか?

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