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ホンモノノスキ  作者: リンゴ
ウソの中のホンモノ
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初めての彼女④     蓮視点

それから、俺はどう帰ったかを覚えていない。


家に帰って、そのまま寝た。

何も考えたくなかった。

すべての思考を停止したかった。


気が付いたら、朝だった。

眠れていたらしい。


大学の講義があったが行く気になれなかった。

しかし、俺は大学の講義行った。

バイトにも何もなかったかのように出た。


しかし、隠せていなかったと思う。

講義はうわの空だった。

バイトではミスを連発した。

誰も俺のことを心配してくれる人などいなかった。


一人になれば、泣くかと思っていたが、涙は出なかった。

悲しくなかったのだろうか?


それすらわからなくなっていた。


1週間、1ヶ月経っても、俺はいままで通りの普通の生活を送れていた。


森田さんと付き合っていたことは夢なんじゃないかと思うほどに、俺の普段が戻ってきた。


このままいつか忘れてしまうのかなと思った。

本心では忘れたかったのかもしれない。


俺は森田さんと別れた後、考えを変えた。


俺を理解してくれる人なんていない。俺はずっと一人だと思うことにした。

期待することを止めた。自分にも人にも。

そして、俺はホンモノを手に入れることを諦めた。


もう傷つくのが嫌だった。

人に拒絶されるのが嫌だった。


俺は人との間に壁を作った。

誰にも心を開かなかった。自分を偽り続けた。

嫌われないように嫌われないように、、それだけを考えて会話した。


人といることが苦痛になってきた。

生活がつまらなくなった。


そんな生活が3年以上続いた。

大学を卒業し、就職もした。


時間が経っても、あの時の光景を思い出す。

森田さんに別れを切り出された時のこと。


「恋人として、好きになれなかった・・・」


この言葉が頭から離れなかった。


俺はウソでも良かった。本心でなくても良かった

ただ、好きという言葉を言ってもらいたかった。


俺は一度も、彼女に好きという言葉を言ってもらえなかった。


なんて子供っぽい恋愛をしたのだろうと思う。

今思うと、俺は自分勝手な恋愛をしていたと思う。

振られても当然だろう。


俺は恋愛できないんだなと諦めていた。


そんな時だった。

俺が彼女に出会ったのは。

河瀬 八瑠佳に出会ったのは・・・






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