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学園 ランリ

 わたしがこの学園で教鞭を取るようになり、初めて自分のクラスを持つことになった。最初その事を聞いたときはようやく任されたと嬉しく思ったが、よりにもよって五大貴族家の子が二人もいるクラスを持つことになるとは思わなかった。最初こそ緊張して眠れない日が続いたけど二人から貴族家として扱わなくても良いというふうに言ってくれて助かったというのが正直だ。まぁそれ以降五大貴族家の子を持つと常識が分からなくなるという話を色々な先生から聞いていたが、その意味が分かった。今では二人とも学園での教えることは全て学び終えているから自由に過ごしているらしい。メリトくんは家に戻っているらしいがラダールくんは学校に残っているそう。色々規格外のことをやってそうだなと思いながら学園の図書館に向った。


「貸し出し中ですか・・・。」


「はい。ただ、貸出先は学園内なのでこちらの部屋に行ってください。」


調べ物をしようと図書館にいた担当の子に探している本を聞いてみるとそう帰ってきた。渡された紙には学園が貸し出している部屋の場所を表す文字が書かれていた。書かれた部屋に向うと中から声が聞こえたので扉を叩いて中に入った。部屋はそこまで広い部屋ではないようで、二部屋が合わさったぐらいの広さだろうか。二階もあるようで、上の方から声が聞こえる。声の聞こえる方に歩いて行ったが姿が見えないのでふと視線を天井まで届くほど高い本棚の上に向けた。


「・・・え?」


わたしの目に入ってきたのはラダールくんが知らない女の人に何故か空中で抱えられている姿だった。思わず出てしまった声でわたしのことに気がついたようで二つの視線がわたしに見下ろされている。ゆっくりとラダールくんを床に降ろしたその女性は軽く浮かんだままわたしの方に近づいてきた。そこでようやく女性の姿が家に初代から伝わる絵に描かれた女性と酷似していることに気がついた。ほとんど思考が出来ていないわたしは考えていたことが自然と口から漏れてしまった。


「神・・様・・?」


わたしの言葉に女性は少し目を開いたがすぐに元の表情に戻った。それからわたしの頭に手を置いた。その瞬間今まで何も理解が出来ていなかったのに急激に頭の整理がついていった。


「落ち着いたかな?」


わたしの目をじっと見てくる色の異なった眼。わたしが頷くとその女性はフワッと浮かびながらラダールくんの近くに移動した。


「とりあえず記憶は覗いたから問題はないかな。あとはどうしてわたしが神だってことを知っているのか。」


それからわたしは二階に置いてあったソファに座らされ向き合うような形でラダールくんたちが座った。部屋にはヒァリンさんもいたようでラダールくんの隣に座っている。


「いちようここにいる二人にはわたしのことは話してあるけど、一目見てわたしのことを神だって見抜いたのはあなたが初めてだよ。どうしてわかった?」


女性は空中に浮かんだ状態で足を組みながらそう言った。あらためてじっくりとその姿を見ていると、あの絵がどれだけ正確に描かれていたかがわかる。


「家に伝わる絵にかかれていた姿と似ていたので・・・。」


「なるほどねー。」


わたしがそれだけ言うと女性はわたしの隣に座った。


「まぁどうせ世界中に知られるんだから問題ないけどね。」


隣に座った女性の方を見ているとラダールくんが話しかけてきた。


「そういえば何か用があったんじゃないですか?」


「あぁ、そうでした。この本を探してるんだけど。」


そう言って紙を渡すとラダールくんはその紙をわたしの隣にいた女性に渡した。紙を受け取ると女性は浮かび上がって本棚に向った。本棚から目的の本を取り出すとその本をわたしの前に置いてくれた。


「見られてしまったのは仕方ないので誰にも話さないでくれると有り難いです。それとこの部屋にはミカさんが常にいると思うので用があるときはいつでも来て良いですよ。」


本を受け取るとラダールくんがそう言ってきた。おそらくミカさんというのがこの人の名前だろう。ミカさんと呼ばれた人は再び本棚の前で浮かんだまま本を読んでいる。


「あぁ、そうだ。あの時暴走した原因分かったよ。」


思い出したようにそう言うと読んでいた本を戻してわたしたちの方に戻ってきた。


「調べたらすぐに出てきたんだけどね。調べるのが権限外だったから時間かかって。」


「そうでしたか。結果はやはりでしたか?」


「そうだねー。五大貴族家に所属する生徒全員が集まったあの場で力を暴走させて印象を悪くさせるのが目的だったみたい。まぁその計画もわたしが乱入したせいで大混乱しただけに終わったけどね。」


最初は何の話かまったく分からなかった。だが、話の中にあった言葉から推測するとラダールくんが初年生だったときの歓迎会であった事件だとわかった。


「乱入ってどういう・・・。」


わたしが呟くようにそう聞くとラダールくんとミカさんは当たり前のことのように話し始めた。


「あの時乱入してもらったのはミカさんなんです。」


「こいつに死なれると困るからって言う理由だけどね。おかげで色々知れたからよかったけどね。」


ミカさんはそう言いながら腕を組んだ。その組んだ腕には形のよい胸がのっている。思わず自分の目線を下に向けてしまった。わたしの目線に入ったのはほとんどない自分の山と自分の足だった。その光景を見て少し落ち込み顔をあげると目の前にミカさんの顔があった。


「やっぱり気になるよね~。」


顔に合った笑顔を浮かべながらわたしのことを見つめてくる。


「わたしの身体は全てが理想の体型に合ってるから色々と整ってるんだよね。でも、この体型は整いすぎてるから時々こういう体型も羨ましく感じるんだよね。」


わたしの隣に座ったミカさんはそう言いながら優しく微笑んでいる。その顔を見ると何だか色々と落ち着いてくる。そう思い見つめているとラダールくんが口を開いた。


「そうしていると普通の人なんですがね。時々その顔で恐ろしいこと考えてたりしてるのが怖いところです。この前は国を滅ぼそうとしてましたよね。」


ラダールくんはそう言いながら呆れたような顔をしている。その言葉に驚いてさらに見つめてしまった。


「あらあら。冗談を本気にしたのはあなたでしょう?」


「冗談を本気にみしたのはミカさんでしたよね?」


二人とも笑顔で見合っているがその笑顔の裏で外から見ても分かるほどの気がぶつかっている。その時どこからともなくお腹が鳴る音がした。その音のほうを見るとこれまで静かにしていたヒァリンさんが顔を赤くしてうつむいている。


「そろそろご飯時ですね・・・、食べに行きますか。ミカさんはどうしますか?」


「初めてだけど行ってみるかな。」


今までのが嘘のように戻った二人はそう言って立ち上がった。ラダールくんはヒァリンを連れて、わたしは何故かミカさんに連れられ食堂に移動した。わたしたちとラダールくんたちは別の食堂に向った。


「そういえば探してた本って何の本だったの?」


食堂でご飯を食べているとミカさんがそう聞いてきた。


「わたしの教えてるのが召喚体との契約についてなんですが、契約が成功しやすい召喚体と成功しにくい召喚体の差について調べてまして。」


「なるほどね~。」


ミカさんは頼んだ魚介料理を口に運んだ後ミカさんが少し顔を近づけて小さい声で話しかけてきた。


「そこに関しては少し教えられるけど聞きたい?多分人間だけじゃ発見できないところもあるからそこは話せないけど。」


「話せる範囲で良いので知りたいですね。」


「わかった。それじゃあ用意しておくから来て。」


ミカさんはそう言いながら顔を話した。その時、わたしたちの方に話しかける声が聞こえた。


「初めまして。少しお話良いかな?」


そこにいたのはこの国の王子だった。


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