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島 イル 13

反王族派について知っているのは俺達のように耳のいい人や調べ上げている人ぐらいだろう。


「反王族派っていうのは言葉通り王族に影ながらあまり良い感情を持っていない人達が自然に集まった派閥のことだね。ここだけの話・・・」


俺はそう言いながらヒァリンの耳元に顔を近づけ他の人に聞こえないように小さく話した。


「その派閥にはこの国の大臣級に当たる人が多く所属してるらしい。」


俺がそう言うとヒァリンは驚いたようなこをした。


「それは、本当なんですか?大臣なんて言ったら国の最高権力に近いじゃないですか。」


ヒァリンは足を着いてそう聞いてきた。他の人に聞こえに用に少し近づいて話しかけてくる。俺が言ったことがどれだけ重要かは理解しているのだろう。


「あくまで噂だけど、実際王様に色々と許可をもらった後最終調整は大臣としているらしい。そこから考えても王族よりも大臣のが国をまとめた方が良いっていう流れにはなるよね。」


「優秀な人を集めた結果と言うことですか。たしかに王族に仕事と言えば外国の王族との会食とかですよね?」


「そうなるかな。他にもあるだろうけど、さすがに分からないな。」


そこで話を区切り再び泳ぎを教え始める。ヒァリンは元々運動を少しだけしていたので少し教えたらすぐに泳げるようになった。だが、まだ体力の方が追いついていないようで少しだけ泳ぐとすぐに息が切れてしまっている。その状態のヒァリンを背負って砂浜に作られた屋根の下に運んだ。


「ほら、これ飲みなよ。」


そう言いながらヒァリンに小屋から取ってきた飲み物を渡す。それを受け取ったヒァリンは少しずつ飲み始めた。すると、ランリ先生がやってきた。ランリ先生の格好はおへそが出ている服に太ももから下の綺麗な素肌を出している短いズボンをはいている。


「二人とも大丈夫?」


そう言いながら膝に手を当てて腰を折る。流れ落ちた髪を空いている手で持ち上げ、俺達に笑いかける。


「ええ、ランリ先生は何かやるんですか?」


ヒァリンはそう言ってランリ先生の方を見る。ランリ先生は俺の隣座ると海岸の方を見渡した。それから息を吐いて寝転がってしまった。


「特にやることがないからわたしも遊ぼうと思ったんだけどね。そうもいかなくなっちゃって。どうも向こうの港町が嵐に襲われたみたいで船が出せないんだって。そのせいで今日はここにある食料だけで過ごさないといけないんだけど・・・」


そう言うとランリ先生は言葉を切った。俺とヒァリンはどうかしたのかランリ先生の次の言葉を待った。


「・・・この島にあるのは保存の効く食べ物だけしかないからね。どうしたものか。」


そう言うとランリ先生は再び大きく息を吐いた。


「取りあえずみんなを集めるかな。」


そう言うとランリ先生は身体を起こして海の方に向かっていった。俺もヒァリンを背負って海の方に行く。ランリ先生が呼びかけると海で遊んでいた全員が集まってきた。そこで船が来られないことと食料が少ないことを話す。それを聞いて驚いた人が何人もいたが、その中で一人が声を上げた。


「先生、この辺りの海で採ればいいんじゃないですか?食べられる魚も何匹か泳いでいるのを見ましたし。」


その言葉に他の生徒達も同意しはじめランリ先生も了承してくれた。そこで、俺達はすぐに役割を分けた。ランリ先生が言うには山の中に山菜が生えているらしいのでそれを取りに行く人と採ってきた食材を調理する人、海で魚を捕る人などに分かれた。そんな中俺とヒァリン、もう一人の男の子はヒァリンの召喚体であるコクィダル種の背中に乗って海の上にいた。


「どこら辺でした?」


コクィダルを操っているヒァリンがそう聞いてきた。俺は島からの距離などから大体の位置を伝えそこに移動してもらった。コクィダル種は四足歩行の子で、後ろ足の指に幅広い水かきが付いており尻尾の先端部は船の舵のように平たくなっている。


「取り合えず食べられそうな奴を出来るだけ多く採って後で見分けるっていう形で良いかな。セレェクもそれでいい?」


そう言って海をのぞき込んでいるセレェクに聞いた。すると、海をのぞき込んだ状態で俺に向かって片手を挙げ了承の意を示した。


「じゃあ、行くか。」


俺はそう言って飛び込もうとしたが少し試したいことを思い出し、立ち止まった。セレェクには先に飛び込んでもらい姿が見えなくなったのを見ると俺は自分の首筋に触れた。するとそこから小さく光を放つ紋が現れ、そこから全身に向かって細い線が延びていく。全身までまわった線は溶けるように消えていき元に戻った。その状況を近くで見ていたヒァリンは驚いたような顔をしていたが俺が秘密にしておいてというと笑って分かりましたといってくれた。それから俺は腰に網を付けて飛び込んだ。


(おお、ちゃんと出来てる。これは有り難いな)


海に飛び込み目を開けると先ほどと比べて綺麗になっており、水中で呼吸が出来る様になっていた。先ほど俺がやったのは加護との繋がりを深める儀式のようなもので、これをやると最大限まで加護の力を使用できるようになるが、その反面時間制限がありその効果が切れたとき一定時間加護の力が全く使えなくなる。


(さてと、行くか。)


俺は勢いよく水を蹴って一気にそこにたどり着く。そこから珊瑚に手を掛けながら珊瑚の間を飛びように泳ぎながら獲物を探した。見つけた貝などを網に放り込んでどんどん進んで行く。ある程度集めたのを確認してヒァリンのところに戻るとセレェクは戻ってきていた。


「すごいなラダールさんは。俺よりも長く息が続くなんて。」


セレェクは捕ってきた貝を入れた網の口を縛りながらそう言ってきた。というのもセレェクが契約した召喚体は水竜と呼ばれる小型の竜種で、比較的人種になつきやすい竜種として有名だ。竜種は契約に成功するとその竜種それぞれの能力が一部使えるようになる。セレェクが契約した竜種だと水中での活動時間の延長だったはずだ。


「まぁ色々とあるんでね。あんまり聞いてくれないとありがたいかな。」


俺は座りながらそう言うとセレェクと同じように網の口を縛った。ヒァリンはコクィダルを砂浜に向かわせている。そこまで距離がある場所ではないのですぐに砂浜に到着した。俺達は食材を待っている料理組に渡した。他の組はまだ帰ってきていないようで、料理組は俺達が貝を渡すすぐに調理を始めるといって処理し始めた。俺はいったん着替えるために砂浜と盛りの間にある建物の中に入った。この建物は簡単な宿泊が出来る場所で、荷物も割振られた部屋に置いてある。その部屋は何故かヒァリンと同じで、二人で一緒に向かっていた。その時後ろから俺の名前を呼ぶ声がし立ち止まった。


「どうかしたの?」


急に立ち止まった俺にヒァリンはそう言って聞いてきた。俺は忘れ物をしたから先に行っていてというとヒァリンは分かりましたといって部屋の方に歩いて行った。


「大丈夫ですよ。」


俺がそう言うと俺の影からミカさんが召喚していた悪魔が出てきた。


「よく俺だと分かったな。」


「少し考えれば予想が付きますよ。それで何のようですか?」


俺は悪魔に振り返ることなくそう聞いた。


「あいつからの伝言だ。もしかしたらガリバルドを狙う奴らが出てくるかもしれないからそれをガリバルド自身に伝えておいてほしい、それともし襲われたときは渡したクリスタルを砕いて知らせて、だそうだ。一様俺の眷属もお前の影に控えさせておくが、あくまで時間稼ぎにしかならんからな。それじゃ、伝えたぞ。」


悪魔はそう言うと再び影に潜っていった。それを確認すると俺は部屋に向かった。部屋ではすでに着替え終えたヒァリンが待っていたので、すぐに着替えてヒァリンと一緒に料理組の手伝いを始めた。この頃になるとみんな帰ってきていて料理組は大忙しだった。ただ、みんなが手伝ったおかげで料理もすぐに完成し、この日は楽しい夕食会を開くことが出来た。


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