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悪魔との旅路

 わたしと悪魔は森の中を駆けていた。狼の状態になったわたしの背中に悪魔を乗せて移動している。わたしの背中に乗るのを悪魔は最初ためらったがこの方が早いと言って押し切った。


「今って何処向かってるんだ?目的地がないわけじゃないだろ?」


悪魔はわたしの捕まりながらそう聞いてきた。わたしの背中には鞍などないのでしがみつくようにして乗っている。


「今はここから一番近い反応があるところに向かってる。ただ、分かりやすく反応してたから多分神の力を宿した何かがある感じだと思う。手がかりが見つかればいいかなと思ってね。」


森の中を駆けながら移動している途中いくつかの生体反応があることに気がついた。悪魔に聞くとその方向から悪意の感情が流れてきているとのこと。丁度いい機会だと思い悪魔に一言言ってそちらに寄っていくことにした。近づいていくとそこには崖に開いた洞窟の前に着いた。


「この中?」


「ああ、間違いないだろう。それで、何で俺をここに連れてきたんだ?」


「あんたの力を見ておこうと思ってね。あの時は瞬殺で力を見られなかったし、それ以降も力を見ることもなかったでしょ?」


わたしが言う力とは悪魔が持っている『神滅眼』の事だ。これは悪魔の切り札的なもので、この目で睨まれたものはありとあらゆるものが滅びるというものだ。この眼を持っていたからこそわたしたちに挑んできたが一瞬で倒されたので、わたしも見たことがないのだ。と言うのもどんな力を持っているか分からないので、わたしが悪魔に幻覚を見せている間に創造が悪魔の全身を覆う拘束具を創り出し拘束その後時空間に放り込んで力を封じるというやり方で仕留めたのだ。それ以降も契約で呼び出したときは雑用を押しつけるなどで力を見ることがない。


「力って言うとあれか?神滅眼のことでいいのか?」


「そうそう、どっちにしてもわたしには効かないしね。」


「それは分かってる。ったく、なんで神滅眼の力を全部跳ね返せるんだよ。意味分かんねぇよ。」


悪魔は一度だけわたしに向かって神滅眼を使ったのだが、わたしの力の一つである『纏』でその神滅眼の力を纏って全て吸収し跳ね返してやったのだ。それ以降はわたしに神滅眼をやることはなくなった。


「何でもいいよ。やれる?やれない?」


「やれるよ。全部滅しちゃっていいんだよな?」


そう言うと悪魔は洞窟の中に入っていくその後ろに狼の状態で付いていくとやがて開けた場所に出た。そこにはゴブリンと呼ばれる奴らが集まっていた。わたしたちに気がついたゴブリンは何かわめきながらわたしたちの方に向かってきた。それをじっと見ていた悪魔は額を隠していた前髪を手で掻き上げた。そこには開かれた神滅眼がゴブリン達を睨んでいる。その目に睨まれたゴブリンはたちまち身体を塵のようにして滅されていった。そして残ったのはがゴブリンが身につけていたものだけだった。


「こんな感じでどうだ。」


そう言いながらわたしの方を見た悪魔の額はすでになにもなかった。神滅眼があった場所も元に戻っている。ここからはわたしも人の姿になって街を目指す。


「それにしても、その格好は目立ちそうだな。」


そう言いながら悪魔はわたしの格好をじっと見つめてきた。妖狼と契約したおかげで所々に青い軽いロールがかかった髪がわたしの氷を通したような薄い青の髪と混じっている。たしかにこの髪は目立つだろうなと髪を触っていると思っていると悪魔はわたしの考えを呼んだように言った。


「いや髪もそうだけど服装の方だぞ。」


悪魔にそう言われ改めて自分の格好を見た。今のわたしの格好は神だとバレないようにあまり派手な服を着ているつもりはないのだが・・・。そう考えていると悪魔が今のわたしの服装はこの世界にない物だと言われた。今の格好は、両肩が露出していて胸より下を覆うような服の上から腰ぐらいまでの長さになるコートを羽織って、下は膝丈ぐらいのゆったりとしたズボンをはいている。


「そんなに目立つかな~?変わんないと思うんだけど。」


「よっぽど大丈夫だと思うが、一様気になったからな。どっちにしろお前は自分の美人さを認識してないみたいだし、絶対面倒くさいことになるな。」


悪魔はそう言いながら笑ったが、わたしが悪魔自身のことはいいのかと聞くと誰のせいだと反論してきた。だが、わたしが誰のせい?と聞くと最初に攻撃したのは悪魔自身なのでそれ以上は何も言ってこなかった。


「まぁその時に考えればいいよ。ここらは森を抜ければすぐに最初の目的地だから。」


悪魔にそう言うとそうだなと言って影を開いた。悪魔の手を掴むと影の中に潜る。影があればどこへでも自由にいけるうえ、この移動を誰かに察知されることがない。出てくるところを見られればそういうわけにはいかないが周りの人がいないところに出ればいいだけなので自由度もある。しばらく影の中を移動してわたしたちは森の出口近くの影から出た。


「そこの街でいいのか?取りあえず一番近くの街の跳んできたが。」


「大丈夫、ここでいいよ。」


少し歩くと森の中を通る整備された道に出た。その道を悪魔と並んで歩きながら街に向かっていく。


「そういえば俺はあんたのことなんて呼べばいいんだ?」


「この世界ではミカって呼ばれてるからそれでお願い。」


「りょうかい。武器はそれだけか・・・。」


そう言いながら悪魔はわたしが手で持っている神器に刀を見ながらそう言った。悪魔にも呼び方を聞いてみると、名前でも何でもいいとのこと。それならと言うことで悪魔の名前であるディリアルからもじってリアルと呼ぶことにする。


「多分名前とか色々と使うことになると思うけど、偽名ってバレないように細工はしておくからそこは大丈夫だと思う。それとリアルは武器とかどうする?」


「武器はいらないかな。俺自身の力で作れるって言うのもあるし、あんまし武器ってのが得意じゃないからな。」


リアルは笑いながらそう言った。道を歩いていると道の両側にあった森が途切れた。前方には石造りの塀が建っていて、街に着いたことが分かる。そのまま道を歩いて行くと街の中に入ることが出来た。


「これからどうするんだ?このままその反応がある場所に行くか?」


街の通りを歩きながらリアルがそう聞いてきた。


「いや、まずはこの世界で旅するのに必要なのを取りに行く。なくてもいいんだけど、あった方が便利だからね。」


そう言いながら通りを歩いているとお目当ての建物を見つけた。リアルはまだ気がついていないようなので、手を取ってその建物に入っていった。扉を開いて中に入るとそこには色々な格好をした人達がたくさんいた。その人混みを縫うようにして進んで行くと一つの窓口に着いた。


「ようこそ、本日はどのようなご用で。」


窓口にいた若い男がそう聞いた来た。


「旅をしたいからそれ関係の手続きをお願い。」


男に向かってそう言うと分かりましたと言って二つの板を出してきた。


「この上に手を置いてください。過去の犯罪履歴がある場合は旅人の証が作成できませんのでそれの確認と作成に必要な情報が記録されませす。」


男はそう説明した。犯罪者が他の国に逃げ出さないようにするという意味と国の評判を落とさないようにするためだとのこと。わたしとリアルはそれぞれの板に手を置いた。すると、板から一枚の紙が浮き出てきた。その紙を男に渡すと男は確認をし始めた。


「過去の犯罪履歴は・・・ないですね。大丈夫です、作成できますよ。それで、種族は・・・亜人ですか・・・。」


「何かありましたか?」


「いえ、特に問題はないですよ。ただ、外見的な特徴がないので亜人だとは思わなくて。」


男は待っていてくださいと言って後ろに消えていった。そこでリアルが亜人って何だ?と聞いた来た。この世界では種族は人と亜人として分けられる。悪魔も亜人として分類されていて、こういう場での表示は亜人となる。ただ、神だけは表示がないので、今回わたしは人狼という人と狼の姿をとれる種族に化けている。


「お待たせしました。少し確認したいことがあるので奥の部屋でお待ちください。」


戻ってきた男はそう言うとわたしたちは窓口の隣にある部屋に通された。椅子が用意されていたのでそこで座って待っているとリアルが少しそわそわしていることに気がついた。感情の方を覗いてみるとどうやら空腹が来ているようだ。そこでわたしは羽織っているコートを脱いでリアルの口の前に腕を伸ばした。リアルはその腕とわたしの方を交互に見ている。


「今のわたしの身体ならリアルでも喰えるでしょ?痛みはないから思いっきり行っちゃって。」


わたしがそう言うとリアルはわたしの腕に食いついた。リアルの口からはグチュグチュという音と共にわたしの血が口から溢れ顎をつたっている。リアルはすぐにわたしの腕を肩口まで喰らい尽くした。


「ごちそうさま。相変わらず美味い身体してんな。」


「満足したようでよかった。」


すでに腕は再生成が完了していて元通りになっている。脱いでいたコートを着直したところで男が手のひらぐらいの旅人の証を持って戻ってきた。


「こちらが旅人の証ですね。これがあればお二方の身分は国が保証しますので必要な時にご提示ください。」


旅人の証を受け取ったわたし達は部屋を出た。そのまま建物を出ようとしたとき、わたしたちに声をかけた奴がいた。


「お前達だな。亜人の二人組って言うのは。」


そう声を掛けてきたのは三人の亜人を従えた男だった。



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