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学園 イル 6

復活します

 ミカさんがいなくなってからは話し相手のいない暇な時間が増えた。学園の方も基礎的な授業が始まり色々と新しいことを学んでいる。ガリバルドとも仲良くなってきたので、最近では一緒にご飯を食べるようになった。メリトの召喚体ともこの前初めて見せてもらった。すでにメリトは育てる方向性も決めているようで、脚力を鍛える訓練をしているそう。


「今うちの家に足りないのは物資を早く多く運ぶ足だからな。それならこいつをそうゆうふうに育てられればかなり心強いし。」


そう言ってサラマンダーの顎したを撫でていた。信頼関係もかなりあるようで時々上にのって一緒に訓練しているのを見たときもある。


「やっぱり方向性は決めていった方がいいのかな・・・。でも、お前は何処を伸ばせばいいんだろうね。」


呟くようにそう言いながらガリバルドの頭を撫でる。ガリバルドは押しつけるように自分の頭を手に当てている。どちらにせよ神聖力が高いのを伸ばす方が優先だろう。そんなことを考えながら寮で寝転がっていると扉を叩く音がした。俺が返事をするとキオーナが部屋に入ってきた。


「失礼いたします。学園の先輩と名乗る方がお越しになっているのですが・・・。」


「学園の?何処の人か言ってた?」


神聖力テゴトゥエと言っていましたが。」


「じゃあシャリカさんかな・・・。いいよすぐ行く。」


そう言うとガリバルドを腕に乗せて部屋の入り口に向かった。扉を開けるとそこにはシャリカさんが立っていたが、もう一人知らない男が一緒に立っていた。


「休日にすみません。どうしてもラダールくんと話がしたいっていう子がいたから連れてきたんだけど、よかったかな?」


「ええ、大丈夫ですよ。ちょうど暇していたところですし。」


それだけ話すと、男が間を割るように口を開いた。


「お前はリッカを知っているな?」


男は何故か俺を睨みながらそう聞いてきた。男が聞いてきたリッカという人?は誰だか知らないので、聞き返しす。


「リッカ?誰ですか?」


「知らないわけないだろ!リッカはおまえに会いに行くと言ったあとああなったんだ!」


何が何だか分からないが、少なくとも男が怒っていることは分かる。すると、シャリカさんがすスッと近寄ってきて耳元で説明してくれた。曰くそのリッカという女の子が俺に会いに行くと言ったあと帰ってきたとき全く別人のようになってしまったそう。それで目の前にいる男はどうやらリッカと仲がよかったらしく原因は俺にあると思いここに来たそう。


「なるほど・・・。わたしにはそのリッカさんとやらについては全く知りませんが、心当たりがないわけではないですね。」


「そうか。じゃあ教えろ。どうしてああなったんだ?」


「まぁ、別に話してもいいですけど・・・今の状況を理解してますか?」


そう言うと男の方は何を言っているか分からないという顔をしたが、シャリカさんは理解しているようで俺の顔を見ないように下を向いてしまっている。


「ここは学園の中にありますが、ここの階層は学園の範囲から外れます。つまり、ここの階層は普通貴族しかは入れない場所です。その場所でわたしに向かって話をする時点で学園から退学になってもおかしくないのですからね。シャリカさんがいるのでそこは大丈夫でしょうが、あまりよい行動とは言えないでしょう。」


腕を組みながら小さい頃から見て感じて教えられた貴族としての威をここぞとばかりに使うと、男は額に汗を浮かべながら俺の顔を見つめる。


「まぁ、今回は見逃しましょう。ですが、一つだけ機会を与えましょう。付いてきてください。」


そう言って俺は部屋を出て廊下を歩いた。しばらく歩いて一つの扉の前に着いた。その扉を押し開くと、そこは広い広場になっていた。


「わたしに勝てたら教えてあげますよ?そのかわり、負けた場合は今後一切わたしに関わらないでください。」


そう言いながら広場の反対側に歩いて行くと、男は俺の向かいに立った。


「いいだろう。」


「決まりですね。」


そう言うと俺は腰の後ろから短い剣を逆手に持って構えた。ガリバルドも腕から飛んでわたしの横で飛んでいる。男は何やら口にすると男の前に陣が現れ、そこから光が溢れた。ミカさんがやった悪魔の召喚に似ているがそれよりも陣も陣から溢れる光も弱い。光が収まったときそこには羽が生えている女性が立っていた。


「初めまして、自己紹介は必要ですか?」


出てきた女性はそう言って笑いかけた。女性からはミカさんから感じていた力を感じるが、明らかにその力は弱い。強さで言ったら前の世界で仲のよかった人魚族のが強いだろう。


「いいえ、大丈夫です。神に近しい者であってますかね?」


「ええ、合ってますよ。よく分かりましたね。どうして分かったのです?」


「なんとなくです。」


そう言うと、女性から力があふれ出るような感覚があった。男は膝をついているところを見ると、かなり体力を消耗しているようだ。


「面白いです。」


そう言いながら両手で何かを持ち上げるように腕を上げた。その腕の中に小さな光が集まりだした。見るからに危ない感じがして、それを止めようと動き出そうとしたとき頭の中に声が聞こえた。


(あれはわたしに任せなさい)


その声はガリバルドが発したようで、俺の方を見ている。ガリバルドは間に立ち塞がるようにして羽を目一杯広げ空中に留まった。


「主を守る騎士のつまりかな?忠実な騎士だね。」


そう言った女性は手の中にある光をガリバルドに向けて放った。その光はガリバルドの身体に触れたところで膨らむようにしてガリバルドの身体を飲み込む。


「いくら神聖力を持っていてもさすがにこれは耐えられないでしょうね。つまりわたしたちの勝ちです。」


女性がそう言いながらわたしの方に近づいてきたとき、もう一つの声が広場に響いた。


「それはどうかな。」


すると、視界を白くするほどの光が広場を覆った。その光が収まったとき俺の前には大きな鳥が一羽わたしたちの間に立っている。


「待たせたな相棒。」


鳥はそう言うと俺の方を見た。それから女性の方を向くと威圧をし始めた。


「誰の勝ちだって?少なくとも俺はお前に負けたつもりはないぞ?それに、お前に負けたとあっては母様に怒られてしまうからな。」


鳥の脇から女性の方を見ると女性は何故か冷や汗をかいて青い顔をしている。


「な、なんであなたがここに・・・それに母様って・・・」


「ああ、お前の想像しているとおりの母様だ。それに相棒はあるお方の加護を受けている。お前はそのお方に刃向かったのと同じだからな。せいぜい頑張って謝って許してもらうことだな。ちなみに俺にもそのお方の力を分けてくださった。」


ガリバルドがそう言うと女性はじっとガリバルドを見つめた。すると、ガリバルドはミカさんと同じような力を纏った。これがミカさんから分けてもらったという力だろう。


「な!?」


女性はそんな声を出して白くなった。自分がどんな存在に攻撃をしたかを理解したのだろう。女性は逃げるように消えていった。残ったのは驚いた顔をしている男とシャリカさんだけだった。


「さて、わたしはまだ戦えますがどうしますか?と言ってもあなたがその状態では続けることも出来なさそうですがね。」


そういうと男は悔しそうなかおをして逃げるようにどこかにいってしまった。すると、シャリカさんが近づいてきて、頭を下げた。


「ありがとうございました。」


シャリカさんは頭を下げながらそう言った。てっきり謝られるのかと思ったが、何故か感謝されたことに驚いた。


「・・・てっきり謝れるかと、どうしてですか?」


「あの子は天使との契約に成功した歴史的な子なんです。それも庶民出身でして、貴族から持ち上げられてあのようになってしまいました。今回で抑えてくれるとよいのですが・・・。」


「まぁ難しいですよね。ただ、もう一度挑んできたときには学園の方に報告しますよ。さすがにわたしの意見を無視することもないでしょうし。」


「お願いします。改めてありがとうございます。そして申し訳ありませんでした。」


「いえいえ、このあとは時間をとれますか?丁度いい時間なので、お茶でもどうでしょう。」


お昼過ぎで丁度ご飯時でもあるため、シャリカさんをそう誘うとご一緒させていただくとの返答だったので、部屋に戻った。その途中でメリトともであったのでいい機会だと思い一緒に誘った。そんなこんなで今俺に部屋にはシャリカさんとメリト、キオーナの四人が一緒にご飯を食べている。


「まさか、お二方と一緒にご飯を食べることが出来るとは・・・有り難いです。」


「そうは言っても俺たちは次期当主って分けでもないしな。そこまで緊張することもないだろう?ラダールも俺もあまり緊張されると逆に申し訳なくなるしな。それに、ここは学園の中で少し変わった場所とは言え学園の中に変わりないからな。だから、ここでは俺たちよりもシャリカさんのが先輩だ。」


メリトはそう言いながら料理を口に運んでいく。口調こそ少し雑だが、仕草や作法は貴族家らしいく整っている。



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