悪魔
中身が悪魔で男と言うことを知らなければ普通に惚れてしまう人もいるだろう。そんな悪魔を見ながら話しかけた。
「何で私たちの呼びかけに反応しなかったのかな?契約では呼びかけには反応することになってたよね。それにもし呼びかけに反応しなかったら私たちが許すまで言うことを聞いてもらうことになってたよね。だから、これからは私たちの命令には絶対に服従してもらうからね。」
悪魔はわたしが話す度に低かったテンションがさらに下がっていき、最後には悪魔なのに違う意味で黒いオーラが出ているように見えた。少しその状態の悪魔が面白くなり、もっといじめたくなった。そこで悪魔の耳元で「女声」と呟いてみると、逃げるように体を動かそうとしたがわたしが力を使いそれを押さえ込んだ。
「頼む!それだけは!この姿になってから恥ずかしくて他の悪魔に会えてないんだ!そのうえ口調も変わったら俺が俺でなくなる!」
「あら、それはそれで面白そうですね。いっそのこと性別ごとかえるように創造に頼んでみるかな。そしたらもっと綺麗な女悪魔になるよ。よかったね。」
「嘘だよな!?やめろよ!?ほんとに死ぬぞ、悪魔界で!」
「さぁ、どうしようかな?わたしの命令聞いてくれるなら考えてあげるよ?どうする?」
悪魔を笑顔で見下ろすようにそう訪ねると、悪魔は飛びつくようにわたしのそばに来てわたしの手にしがみついた。目は先ほどから泣きまくっていたのか真っ赤になっている。黙っていればほんとに美しい女なのに、もったいない・・・。それにしても創造のセンスは女神のわたしから見ても驚く位で、男の神とは思えない。
「分かった!何でもするから!頼むからそれだけはやめてくれ!」
「じゃあこの世界で私たちはある存在を探してるの。そこであなたに頼みたいのは悪魔とかそこら辺の存在と契約してるやつがいたら知らせてほしいの。もし悪魔とがいたら捕まえておいて。」
未だにわたしの掴んだままの悪魔にそう話しかけると必死に首を振っている。悪魔が落ち着いてきたところで掴んでいた手を離しすと、どうしてその存在を探しているのを聞いてきた。わたしは悪魔に何かしら力を持った存在がこの世界にいること、可能性として私たちが気づいていない神がいるか悪魔がいる可能性があり、悪魔を探すなら悪魔に頼んだ方が効率的だろうことを話した。
「なるほど。確かに悪魔を探すには俺たち悪魔のが見つけやすいだろうな。分かった、任せておけ。」
「ええ、お任せしますわ。このかわいい顔を他の悪魔に見せられたく無ければ必死に探すことね。」
そう言って先ほど悪魔が見せた泣き顔を記録したものを空間に映し出した。それを見た悪魔は一気に顔を赤くしてこちらを睨んできたが、今反抗したら確実に不利なことを理解しているのだろう、それ以上は何もしてこなかった。睨んでくる悪魔に思いっきり笑顔で返してやると悔しそうな顔をしている。
「約束は守れよ。」
最後に悪魔がそう言うと、少し近づいてきた。わたしが悪魔の手を掴んで時空間から出て、イルのところに戻った。時空間を出るとイルが近寄ってきた。
「お帰りなさい。さっき入ったばかりなのに早かったですね。」
「長い間放置するのは危ないでしょ。それに用は済んだしね。それじゃ、頼みましたよ。」
悪魔にそう頼むと軽く頷いて夜の闇に消えていった。この状態の悪魔は見つかることは無いだろう。わたしはイルを抱えて寮に向かって飛び立った。戻っている途中イルに一つだけ警告をしておいた。その内容は今回わたしが行った悪魔召喚の方法が召喚体を呼び出す方法を使える人なら恐らく簡単に使えてしまうということ、ないと思うがもしかしたら悪魔を間違って召喚してしまう人がいるかもしれないことを警告しておいた。
寮に到着した私たちはばれないように部屋に忍びこんで、この日は寝ることにした。次の日何事もなかったように学園に出発した。ただ、この日からはイルにクリスタルを渡し、学園には着いていかないようにした。クリスタルを通して状況が見れられるので、例の存在を探す方に集中することが出来る。ある程度ならわたしの力を与えたガリバルドが対処できるだろうし、それが難しい敵なら時間稼ぎぐらいなら出来るだろう。その間わたしは最高神から権限を一部受け取っていたので、時空間の中に移動してずっと世界を監視していた。世界を色々見て来たわたしの方が世界の微妙な変化に気がつきやすい。悪魔にもクリスタルを渡しておいたので、目の前にはイルが持つクリスタルと悪魔が持つクリスタルの二つを通した景色が見えている。すると悪魔の方の景色が真っ暗になった。クリスタルが壊れたような反応はないので、恐らく陰の中を移動しているのだろう。そこで思ったのはもし悪魔が神と出会った場合、最悪消されてしまうかもしれない。そこでわたしも悪魔と一緒に行動することにした。時空間から出ると悪魔が持つクリスタルから場所を把握し、出てくる場所で待ち構えていた。すると目の前に悪魔が出てきた。
「な、なんですか。ちゃんと探してますよ。」
「分かってるって。何か言いに来たんじゃないって。ただ、もし神がいた場合あなたじゃ対処するのは難しいでしょ?わたしとしてもあなたに消えてもらうのは困るわけだし。」
「たしかにな。俺じゃあ神を捕まえておくのは無理だが・・・、どうするんだ?」
「簡単な話、わたしと一緒に行動すればいい。ついでに監視も出来るしね。」
悪魔に向かってそう言うと何故か身震いをして離れられた。別に監視するだけで隙を見て体を改造してやろうとかは一切考えていない。
「監視だけで済まなさそうなんだが。ていうかその格好だと目立つぞ?」
自分のことは棚に上げて言ってきたが、確かに今のわたしの格好は翼がないだけで神の力が感じられる人にはすぐにばれるだろう。だが、それを隠す術はいくつもある。今回は極力目だたないようにするために妖狼の力を使い、人の背丈の半分くらいある狼に変身することが出来る。その時服は体の模様として出るが、全部毛で覆われ見えなくなってしまう。
「この格好なら特に怪しく見られないでしょう。それに動物を連れている人も珍しくないらしいから問題ないでしょう。」
「なら、普通の人を演じた方がいいか?」
「そうしてくれるとありがたいかな。もしかしたら本気で探さないと見つけられないかもしれないからね。多分旅をしてるって言えば怪しまれないと思うから。」
そう言って胸を張るようにすると、悪魔が分かったと言った。この後わたしと悪魔は世界中を旅してまわることになる。その間はガリバルドがイルのことを守ってくれるだろう。それにいざとなればすぐにイルの場所に帰ることもできるので、大きな心配はない。
「そんで?なーんでお前がこの世界にいるんだ?特に重要な世界でもないだろう。」
森の中を歩きながら悪魔がそう聞いてきた。確かにこの世界は他の世界に比べて重要性は低いと言っていい。この世界は今まで大きな問題が起きていなかったためあまり気にしていなかったが今回この世界の最高神から相談があるぐらいの問題が起こったらしい、と言うことを悪魔に伝えておいた。
「なるほど、それで悪魔が関係してるんじゃないかって事か・・・。でも悪魔が関係してるかどうかは分かんないんだろ?」
「だからこそ、一緒に来てるの。悪魔が相手ならあなただけでも十分だろうし、神が相手でもわたしがいれば問題はない。でも一番恐れてるのはその両方があった時。」
そういったことで悪魔は自分が呼び出された理由を察したようだ。
一章の改編作業をしています。少々話が変わると思います




