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2章 旅路

 この日転生の条件を厳しくして初めての対象者が来た。その知らせはわたしが仕事中にメイドが持ってきた。


「えーっと・・・。じゃあ、これだけ終わったらやりに行くわ。あぁ、あとこの前他の六神には伝えたけどメイドにはまだだったね。実はこれから送ろうとしてる世界にわたしも行ってみようかと思うんだよ。」


「えっと、管理してる世界にですか?どうしてまたそんな・・・。」


「観察がてら行くだけだから。そんなに心配しなくていいよ。」


「いえ、心配はしてません。ただまた仕事が貯まるなーと思っただけです。」


「あはは、まぁそこは安心して。今回行くのはわたしの管轄内だから、そっちから仕事するよ。」


わたしがそう言うと安心したのか話しかけてきた。


「分かりました。じゃあ、気をつけていって来てください。ただし、今回の対象者がわたしから見ても大丈夫だったら許します。」


「いいよ。じゃあしっかり見極めてから判断して。」


そう言うとメイドは軽く頷いた。わたしはわたしの座る椅子に腰掛け足を組んだ。メイドはわたしの隣に立つとこちらをちらっと見た。準備ができたという合図だ。それを確認すると、わたしは神としての力を少し解放し六神の時空神に変わった。すると部屋の真ん中の空間がゆがみ穴が空き、その穴から一人の男が落ちてきた。


「・・・あれ、どうして俺はこんなところに・・・。俺は死んだはずじゃ・・・。」


落ちてきた男は、今まで見てきたほとんどの奴らがここに来て最初に言った言葉を呟いている。


「あぁー、もうその反応も聞き飽きてきたから早速本題に入ってもいいかな?」


わたしは見下すように男を見ながらそう言った。男は驚いたように体をビクッとさせるとこちらを振り返った。


「えっと・・・。あなたは?」


「それは後回し。まずわたしの質問に答えて。あなたは転生する?しない?」


男は理解できないようで固まってしまった。しかし、すぐに回答が決まったのか一言


「します。」


といった。その回答を聞いてメイドに目を向けると、メイドもちらっとこちらを見て目線がぶつかった。それだけで何が言いたいかが分かる。


「じゃあ、もう一つだけ。転生先はこっちで勝手に選ぶけどそこにわたしもついてくから。それについては向こうで説明するね。」


そう言うとささっと転生先の世界に時空間をつなげ、男を送り込んだ。


「主様、ずいぶんとざっくりとやりましたね。問題ないからいいですけど。」


「あとでいくらでも時間があるからね。それならここでしなくてもいいかなって言う考え。」


そう言いながら男を送り込んだ世界を覗くと、どうやら問題なく届いたよう。それを確認するとわたしは必要な物をまとめ始める。といっても基本的にいつでも帰ってこられるので準備は必要ないのだが。


「じゃあ、行ってくるね。多分色々と大変だろうけど困ったらすぐに呼んでね。すぐ戻ってくるから。」


メイドに向かってそう言うと、軽く頷いた。それを確認すると時空間を開いて世界に向かった。



___________________________________________



わたしが降り立ったのは、すべてが白で埋め尽くされた無機質な空間だった。地面もなく壁もない、ふわふわ浮いているような感じだ。その空間には先ほど送り込んだ男が浮かんでいた。逆さまになって。


「ずいぶんと変な格好ですね。わたしの前でそんなことができるなんてずいぶんと死にたいようですね。」


「そんなこと言っても、どうすることもできないんだから、どうしようもないだろ。」


「確かにそうですね。人間と神では違いすぎますね。」


「それで?なんで俺を転生させたんだ?」


男が逆さまになった状態でそう聞いてきた。わたしは男の近くまでフワッと移動すると、男に向かってこういった。


「正直誰でもよかったんですよ?でも転生の条件に合うのがあなただったと言うだけです。ついでにこの世界でやりたいこともありましたしね。」


わたしの言葉を聞いて男は少し考えるような仕草をした。


「転生させた理由は分かった。だがどうして付いてきたんだ?あと自分で神を名乗るのもどうかと思うが。」


男はそう言った。まぁいきなり目の前に自分は神だと名乗るやつが現れたら、頭おかしいやつと思っても仕方ないが・・・。


「その言葉、今回は見逃すけど次言ったらほんとに殺すからね。こうやって。」


男に向かって手を伸ばした。しかし、伸ばされた手は男の体に触ることなく埋まった。その状態でつかむようにして握ると、突然男が苦しみだした。


「どう?魂を直接潰される気分は。別に信じなくてもいいけど、さすがに今の言葉は傷ついたな~。」


「がっはっ、どうなってる?なんで死んだのに痛みが?」


「だから、わたしが神だからだって。」


そう言うと男は再び疑いの目を向けてきた。そこで男が知っている神の像を言ってみてと言うと、少しずつ話し始めた。男が話した神の像とわたしの姿を重ね合わせるように言ってみると男は驚いたように固まってしまった。これで、男はわたしが神だと言うことが分かったのだろう。


「じゃあ、あなたから一方的な契約ってことでいいのか?」


「ええ、その認識で間違いないですよ。ただ、その契約期間中は絶対にあなたを死なせないので。」


わたしがそう言うと男は、分かりました。といった。すると男の体が光り始めた。


「そろそろ、時間切れみたいですね。多分目が覚めたら驚くと思うのでお楽しみに。わたしもすぐにそっちで会うと思うので驚かないようにね。向こうの人にわたしのことは見えてないはずだから。」


最後にそう伝えると男はこの空間から消えた。これで転生が完了した。この世界は、わたしが必要なときに使うだけの世界なので、広さもそこまで広くないうえ、何もない。逆に言えば何をしてもいい世界なので六神全員が遊びで使う時に使うことが多い。


「さてと、わたしも行くかな。久しぶりのこの世界どれだけ発展してるかな?」



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