第一話 「初めての表裏一体」
まだ、書き方が覚束ないですが、ご了承ください。
一点に吸い込まれ、徐々に溌剌とした街が見えてきた。
しかし髪留めとなった銀花がなにか心配そうにしている。
ん?銀花?もうすぐ着きそうなんだけど、どうかしたか?
「翔?もうすぐ固有スキル『表裏一体』が発動します!心の準備は
いいですか!?気をしっかり持ってください。
表裏一体は翔のスキルなので私は干渉できません!」
質問いい?
「はい?どうぞ。」
表裏一体が発動してる間って、僕はどうなってんの?
「それは心配ありません。周りの時間は進みませんので、
発動している間は無防備ということにはなりません。
では気をつ..け.....」
ぐくくくぅ..... な、んだ?こっ、れは!?
銀花の声が遠くなると同時に、とてつもない頭痛、目眩、そして吐き気に見舞われる。
今までに経験したことがない痛みだ。
これが、表裏一体。
耐えている間に耐性とスキルが増えた。
銀花に言われていたように、ゲームのメニュー画面を頭に浮かべる。
「苦痛耐性Lv1」
効果:痛みの軽減
「バランスLv1」
効果:目眩の軽減
「精神力Lv1」
効果:吐き気の軽減
〔表裏一体〕 【常時発動】
「自己暗示Lv1」
効果:意識の強化
「情報整理Lv1」 【常時発動】
効果:表裏一体時の脳への負担軽減
「念話Lv1」
効果:念話を使える者同士だと、念じるだけで意志疎通ができる
「融合Lv1」
効果1:表と裏が混ざりあうほど、能力に補正が付く
効果2:翔がウラの能力を融合度によって覚える
〔スペック〕
「身体強化」【常時発動】
効果:身体能力の向上
「部分強化Lv1」【任意】
効果:一時的に部分的な強化を施す
消費MP 効果大:15
効果中:10
効果小:5
めっちゃあるじゃん...
意識が遠くなるなか、表裏一体のチートっぷりに驚く。
まず固有スキルっぽいけど、〔スペック〕って何?
後で銀花に聞いてみよう。
まぁ、とにかく言えることがある。
表裏一体ありがたや~!
〇表裏一体の中
「おい!」
白髪の青年が白い髪を揺らめかしながら僕の前に立っている。
「あんたが表の翔か?」
「誰?今大変だったんだけど...
え、今ってスキル発動しているよね?
髪が真っ白な僕!?じゃあ、ウラカってのは君か?」
「そうだが、『君』ではなく『ウラカ』もしくは『ウラ』と呼んでくれないか?」
え!?めちゃめちゃフレンドリーじゃん?
最初に銀花から聞いたイメージとあまりにもかけ離れていたので戸惑う。
イメージとしては、
「俺、の体、よぉこせぇぇ!!!!」ぎゃああああああ。
みたいなものだと思ってたからね。
それに『ウラカ』はなんとなくわかる気がするけど、でも『ウラ』って、
親しくなると、呼べるあだ名みたいなものだと思う。
若干戸惑う。そして答える。
仲良くなるにこしたことはない。
「分かった。じゃあ『ウラ』で。...って今度は僕が喋ってる!?」
いつもは心の中だけで反響する受け答えが口に出たのだ。
久しぶりにスラスラと喋る自分に心底驚いていると、
同じ翔だからだろうか?以心伝心みたいなもので分かったらしく
僕の疑問に答える。
「ここは表裏一体の中だからな。突然だが、お前の能力を試す事にする。
俺だって鬼じゃねぇ。いきなり乗っ取ったりしねえ。だが!
お前が俺の表にふさわしいかどうかは俺が決める。」
勝手に事が進んでいるような気がするが、乗っ取られなかった事に
安堵した。
「僕のことも翔って呼んでよ。」
「ああ、分かった!翔。」
今、とてもいい感じだ。
しかしその雰囲気を粉々にする一言に耳を疑う。
「翔、俺と闘え。勿論ハンデはやるよ。」
「んん!?無理だろ!?
だって、銀花が言うには激強なんだよね?
まず、体力は平均値、攻撃をしたことがない僕に勝てるのだろうか?
いや、ここで断ればいきなり乗っ取られそうだから...
よし!今は試練なんだ。ここで逃げてどうする!?」
覚悟を決める。
「分かった!闘うよ!」
「いい返事だ。それと表裏一体のなかだから独り言全部聞こえるからな?
だが、固い決意と無謀な挑戦は全くの別もんだ。
そこら辺分かってんなら、始めよう。まず説明だ。
俺のハンデは、そうだなぁ...俺は手を使わねえ。
だが全力でやらせてもらう。」
「そっか、ついいつもの癖で...
それと質問。
銀花から聞いてるんだけど、ウラって物凄く強いんだよね?
僕、死なない?」
聞いておかないと、始まった瞬間にポックリ逝く可能性があるからね。
〔そうでない事を願う!〕
「それはないな。何度も言うがここは表裏一体のなかだ。従って
翔が死ぬことはない。だが、疲労は感じる。
それに今の状態で翔が死んだら、 俺も死んじゃう
からな?」
ひとまず死ななくてよかった事に安堵しつつ、ウラの話を聞く。
「だが、HP、MP、SPは普通に減るからな?」
「分かった。で、僕の能力じゃあ勝てる見込みがないと思うんだけど...」
「心配するな。俺を倒すんじゃなくも俺に膝をつかせてみろ。
お前が負けるのは、もう立てなくなって戦意が折れた時だ。」
「分かった。」
これは自分に打ち勝つための試練なんだ!
『僕ならできる』
「ここで闘う訳には行かないな。ちょっとついてこい。」
僕は返事をして、ウラのあとに続く。
読んでくださりありがとうございます。