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2 クラス内ミニロボコン

 高専時代、僕が19歳のころ、実習でロボット製作があった。4か月間、4人のチームで競技ロボットを作り、最後にクラス内で競技会をするのだ。4年生の実習で、今までの授業や実習の総仕上げという感じだった。

 これが最初は、まったくうまくいかなかった。まずロボットの設計を始めるのだけど、情報学科(プログラム系)だった僕たちは機械の設計図なんてほとんど書いたことがない。そもそもどんなしくみでロボットが動くのか、まったくわかっていなかった。僕だけかもしれないけど、個々の電気回路やプログラムのことは知っていても、それらをどう組み合わせればロボットになるのか、見当がつかない。実習は思うように進まず、最初は小さなケンカみたいなこともしていた。チラチラとほかのチームの進み具合を見ると、僕たちのチームはかなり遅れていると思った。


 ところが、結果から言うと、僕たちのロボットはクラスの中で1番早く出来上がった。それだけじゃなくて、ロボット競技会の玉入れで優勝までしてしまった。

 一応、僕たちのチームには、部品の切り出しが好きなやつ、プログラムが好きなやつ、電気回路が得意なやつがそろっていた。絵が得意なやつには設計図を担当させた。みんな能力はあったのだ。ただチームで物事を進めるのが極端にヘタクソだった。仕事を分担して、それぞれが責任をもってがんばった。僕はプログラム担当だったので、実はあのロボットがどうやって出来たのか、途中の作業をほとんど知らない。学生の実習としてはどうかと思うけど、とにかくそれがうまくいった。

 じつを言うと、僕たち以外の大半のチームが、大会までにロボットを完成できなかった。競技会でいちばんまともに動いていたのが僕たちのロボットで、ちょっとだけ誇らしかった。徹夜明けでロボットが完成できずに、当日はゾンビのような学生がたくさんいた。気持ちはわかる。僕だって友人を巻き込んでゲームを作ろうとして、締め切りに間に合わずゾンビになったことがある。今回は運が良かった。絵に描いたようなデコボコチームだったけど、僕はあのチームで本当に良かった。


 あとで聞くと、僕たちの次の学年から、先生たちが作業の一部を手伝うようになったらしい。学生の技術離れが原因なのか、指示待ちが増えたからかわからないけど、後輩はゾンビにならずに、大会を楽しんでほしいと思う。実習を通して学んだこともある。それは、ロボットの設計と、小説のプロット(設計図)は意外と似ていることだ。設計どおりに作っても、途中でうまくいかないことがある。設計の段階でわからない部分は、まずはいきなり作って(書いて)みてもいい。そんな感じだ。

※高専:高等専門学校、16歳から20歳までが通う工学の専門学校。全国に40校強。

ロボット競技会は玉入れで、ゴムパッキンをつけた紙コップでボールを拾ってました


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