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1話
『ズザァァァァァァァァァッ』
「はは。落ちたな。随分、見事に」
皆さん、こんにちは…じゃなくて、はじめまして。水野 友希です。さっそくですが、俺は見事に2メートルぐらいの穴に落下しました。
「友希ー。だーいーじょーぶ」
「竜。とろい喋り口調を心がけていないで助けてください」
穴からヒョイと顔を覗かせた金髪の青年、竜は緑色の目をパチクリさせた後俺を穴から引っ張り出す、かと思いきや。
「誰かぁ。はしごー」
「いやっ。君身長190センチ以上あったよねっ。その無駄な身長でどうにかなるでしょっ」
竜は「えー」と、不満げに眉を寄せた後、深いため息をした後「仕方ない」と言わんばかりにズザザとずりおちてきた。
「はい、お姫様だっこ」
「肩車の方が早いよ。ていうか、お姫様抱っこは嫌だよ」
竜は不満そうに再び眉を寄せると、俺を持ち上げ外に思いっきり投げ飛ばした。