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飢餓

作者: 篁 霞流

幼い兄弟が銃を構えていました

右手に擦過傷を負いながら

左手で妹の手を引いて

白昼の砲撃の中を走っていきました


私は瞳をぐるりと廻しました

「正義ですか」

「正義です」

痛みや苦しみがあっても

それで大丈夫なのだと大人が笑っていました


私は子供たちを見ていました

「勉強がしたいです」

四肢を失った子らが笑いました

「お母さんに会いたいです」

「明日生きていたいです」


生命の飢餓がそこにありました

平和への渇望が叫ばれていました

私は確かにそれを聞きました


世界の安寧が生まれてから

人間はなんと高慢になったのでしょう


あの国が悪いのだと喚き続ける子供たちよ

あの国が憎いと正論を振り回す子供たちよ


世界なんてあなたの領分ではないのです

あなたはそこに居て 手の届く範囲で最善を

そう最善を尽くせばよいのです


あなたがあなたの小さな世界を愛せれば


そうすればあなたの祈りは私に届くでしょう

そうすれば私は 今日も星星と戯れて

軸を動かし続けることができるでしょう


私はあなたたちを信じています

どうかあなたたちも私を信じて下さい


地球が滅びるはずなんて、ないのですから

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