表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

君のいる風景

酔いが醒めるまで

作者: 蒲公英

昨晩の飲み会、大荒れの原因はあたし。

1年付き合って、その間にあたしが知ってるだけで3回浮気した男と別れたのが1ヶ月前で

そいつが、あたしの横にのうのうと座っていたから、が理由。

自分にあるまじきピッチで飲み続け、クダを巻いたことは覚えているけど

どうやって帰ってきたのかは皆目わからない。

気がついたら、自分のベッドで服のまま寝ていた。


・・・頭、痛い。

サイドテーブルで携帯が鳴り、反射的に通話ボタンを押した。

「生きてる?」

ノー天気な声は、学生時代からの続き。

「・・・おかげさんで」

確かこいつも昨日いたよな、と1日も前じゃない時間を探る。

「寝てたんだろ、どうせ。2時だぜ」

休みの日の真昼間に電話してくるほどヒマなヤツ。

彼女もいないのか、こいつ。

あたしも他人のこと言えないけど。


「まだ、寝たまま?」

余計なお世話だと思いながら、そうだと答える。

「じゃ、酔いが醒める運動」

口答えするのも面倒なほどの二日酔い。

「寝たまま足開いて、膝立てて」

電話で見えるわけじゃないのに、つい言われた通りにする。

昨日のままのジーンズの膝が窮屈。

「体勢、できた?」

「はいはい」

どうでもいいけど。

「で、その上に俺」


思わず、がばっと飛び起きて通話ボタンを切った。

切れた通話に「バカ!!」と怒鳴る。

・・・頭、痛い。死にそう。

シャワーを浴びて氷水を浴びるほど飲み、またベッドに横になる。

メール着信のランプが光る。

―昨日の大荒れは納まったか。

ノー天気からだった。


―荒れが納まったら今度は二人で飲もう。

二人でに意味があるんだろうか。

いや、あいつに意味なんてアリエナイし!

頭痛薬と胃腸薬を一遍に飲み、目を瞑る。

考え事は、翌日に持ち越し。


ノー天気がモトカレを殴ったって聞いたのは、その翌週のこと。


fin.

この後は、ご想像におまかせ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] ええっすね。学生っぽいです。 恋愛って後で考え直すとバカみたいな言動がいっぱいあるけど、そのときの当人はすごく楽しんでるんですよね。不思議なもんだ。
[良い点] 頭痛がともなう、苦しいしか言い様のない二日酔い。僕も何度か経験している分だけ、短い一篇から臨場感が伝わってきました。
[一言] なんともノー天気のさりげない優しさがいいですね! しかもこの短さで、二人の友達として付き合ってきた時間とかを感じさせる所が凄いです! もしかして、コレが膨らんで長編になったりしちゃうんでし…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ