友達作り~西城椎名の場合~
今回はちょっとやたら短いです。すいません
少女は屍の中にいた。いかにも不良といった柄の悪い男達。しかし、誰もが白目を向き意識を失っている。円状に倒れている様子からもわかるように少女は最初この男達に囲まれていた。
少女は度の強い金髪だが、しかし、サラリと流れるようなつややかさから、それが地毛であることが伺えた。また、スレンダーな体系は手足もするりと長く、まるでモデルのよう。街を歩けば誰もが振り向くのではないだろうかその姿は、不良達の目に留まってしまうのも無理はなかった。
人も決して多くない街の裏道。少女が足を運ぶと五、六人のグループは瞬く間に少女を囲った。
「お姉さん? 一緒にあそびませんかぁ~」
いやらしい笑みを浮かべながら少女に近づく男は、しかし、瞬きの瞬間に中を舞い、地面に叩きつけられていた。
「っぐ!」
何が起こったのか理解できていない表情を浮かべ少女を見上げると酷く冷めた眼で見下ろされていた。
「ってめぇ」
勢いよく立ち上がり少女に掴みかかろうとする男。だが伸びた手はパチンと振り払われる。男がすべてを理解する前に少女は動いた。
体制を低くし男の懐にもぐりこむ。限界まで拳を握りこみ、腕を引き力を溜める。男がその状況に気づき対処しようとした時にはもう遅い。引き絞られた弓はすでに穿たれていた。
「っブォゲラばぁ!」
情けない下品な悲鳴を上げると、男は静かに意識を手放した。
『っな!』
これに激情した男の仲間は少女に襲い掛かるが、だが結果は同じだった・・・・・・
「うぜぇ・・・・・・」
少女は小さくつぶやく。
男達は知らなかった。知らなかったからこそ手を出せた。少女が壊し屋と呼ばれていることを。