朝の出来事(お披露目後)
※短いです
「レーン。朝だよー」
目覚まし時計なんて便利な物がない、セイシャーリ。
マーノンにその役目を押し付けてみたら、非常にによろしくないことになった。
「うぐっ…」
人の上に馬乗りにならないでくださいませんか、マーノン。
苦しい。
肺押しつぶされて苦しいよ!
「ああ、ごめんね」
「…わざとだろ。絶対わざとだろ、テメェ」
上半身を起こしながら、胸を擦る。
こいつ、いつか私を殺す気なんだ。
絶対そうだ。
「そんなことより、もう11時だからね」
「…はっ!?」
壁に掛けられた時計を見る。
確かに11時だった。
「寝坊した!」
6時に起こせと言ったのに!
寝坊というからには予定がある。
8時に図書館の司書さんが蔵書室を開けてくれると言ったのだ。
蔵書室は司書さんと一緒じゃなくて入れなくて、いつもお昼からしかいない司書さんが朝から開けてくれると約束してくれたのだ。
「マーノンのバカぁ!」
くそぅ。
せっかく朝から本漬けだと息巻いていたのに!!
すぐさま侍女を呼んで着替えを持ってきてもらう。
その間に髪の毛をブラッシングしていると、ブラシをマーノンに取られた。
「そんな乱暴にしちゃダメだよ」
「うっさい!」
起きれなかったのは自分なので、マーノンのせいだとは罵倒できない。
無駄に丁寧に髪を梳くてはいつもと変わらないのに、今日だけはもどかしくてたまらなかった。
結わえてまでもらい、それがすむと走って隣の部屋に移動する。
侍女から服を受け取り、手早く着替えを済ませると、私は朝食はいらないと断ってから部屋を出た。
「本当はまだ8時なんだけどねぇ」
時計の針を戻しながら、マーノンは咽喉を鳴らした。
時間は24時間で。
(本編では変わるかも…。その時にはこっちの修正入れます)