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積載のコツとか色々

計算しよう。バイクの積載量 と 電動付自転車の積載量。


原付、電動付自転車(30kg) × 2(午前・午後)

110cc(60kg) × 2(午前・午後)



原付の方が2名。110ccの方が4名だとすれば


60×2 = 120 (原付)

120×4 = 480 (110cc)


この場合、合計で600kgが限界である。

もっと言えば、(より大雑把になるけど)。


「配達員が配達の準備をせずとも、監査の人間が午前4時頃に来て、必死こいて、各区の重量を計算してれば、問題のない話なんだよ」


積むなというのなら、積まなきゃいけない物量だって事を、調べたい人が調べてくれってオチである。なんでわざわざ準備が終わってから、測るのか?よく分からん、サボりたいだけなの?やる気あるのか?



「藤田、来るんじゃねぇよ」

「なんでここまで来れたんですか」



ここまで住吉ばかりターンが回ってきたが、藤田にもターンが回って来る。これもまた酷いお方なので、配達員の方々からは嫌われている。


「し、しっかりと適正な重量を測らないと危険です!」

「その危険性は配達員やってる、俺達の方が分かってる」


電動付自転車や原付の方々が積めない量についての問題ばかりであったが、110ccでも問題が起きていた。というか、分かっていたのは法律に興味がない側で、分かっている側の藤田が一番分かっていなかったというオチであるのだが。


「60kgは危険です!」

「別に危険じゃねぇーよ、デカファイバー1つ、小ケース2つぐれぇで済むはずだ。俺達は普段、4つ行ってんだぞ、たぶん、70kgくらいだ(一回に付き)」


大ベテランの木下なら、大体、これくらいの積載で60kgぐらいだと把握している。これから1個ずつ体重計に載せるわけだが、ケースに入っているだけでは重さは分かってない。

そして、その重量も、台車に載せて移動させていることから


「フンヌゥゥッ!!」


ベギイィィッ


「!!?ほぐああぁぅ!!こ、こ、腰があぁぁっっ!」


人が持つことをあまり想定していないのである。台車に載せて、車やバイクのところまで行くんだから。


「どうした、藤田?」

「ぐあぁっ、ちょっ、あの」

「お、おい!誰か救急車呼んでやれ!腰痛めたみたいだぞ!」


一番大きいファイバーを一人で持つのは、危険である。それも中年・高齢者が一人でやると、腰を痛めるのである。それが分かっているから、二人がかりでやるというのに。無理を押してやるから腰を痛める人が現れる。

っていうか、台車から荷物を体重計とかに移動させる事なんて、してないから


ピーポーピーポー


「藤田さんさー。またいつものですか?」


救急車に載せられ、藤田の付き添いという形でこの場から逃げる蓮山部長。(住吉の相手したくねぇ)。


「積載が大事だからって、配達員でもない自分だけが腰を痛めるは。インフルエンザの流行を訴えながら、自分だけインフルエンザに罹るとか、……大々的に監査に来るとか言いながら、その前日に交通事故を起こして日を改めるとか、……働く自覚あります?」

「は、蓮山部長。……その、わ、私は精一杯やってます……」

「いや、結果出てないから、ふざけてるとしか思えないんですよ。住吉とは別ベクトルで迷惑ですよ、あなた」


だって、藤田は来る来るいいながら、大抵来れないんだもん。


◇          ◇


現場が明らかに大混乱で、だったら


「車で配達すればいいじゃないか!!」


誰でも当たり前に思うことを吐露する。住吉だってそうだ。


ガシイィッッ


「どこの誰が点呼なんかで車を停めたんだっけ?」


山口部長が住吉にキレながらアイアンクローを決めて言う。

車を使うわーってしたい流れなのに、肝心の車はもっと大型の荷物に使わないといけない状況で、バイクや自転車の積載量に回すだけの車がない。っていうか、車の人が自転車にさせられてるしさ!


「ぐ、具体的な方法はないかね。……山口部長。このようなピンチでいつも頑張ってくれているじゃないか」


こんな法律を守ると仕事にならねぇーから、これはもう、しょうがないけど無視する方針にする。山口部長というか、作者とかが言いたいことなんだが


「この基準っていつの頃からだ?」

「ひょっ?」

「だから、いつの頃から決めてんだ?なんで木下やさね達が、平然な顔をして、こんなルールを破って配達できると思ってんだ?」


……配達員の装備、バイクのキャリーケースを変えたりと、こちらでも可能な限りの準備をしていました。それは人手不足に対応する上でやってきた事で


ギリギリギリギリ


「お前等がロクに仕事しねぇで、変更してねぇーせいだろうが。なんで俺達がその割を喰わなきゃいけねぇんだ?法律守れって叫ぶってんなら、お前みたいなのが配達すりゃあ済む話じゃねぇーかよ」


10年以上も前から、このことについては言われていた事であり、それでもなお、ま~~~ったく、聞く耳を持たず、変更する気もなかったことが大きな原因と思います。

これについて言えば、ホントに酷い話でいいますけど。


「変えてねぇなら電動付自転車とかの導入なんかしねぇーよ」


だって、バイク1個分ほどの配達量が違うんですよ。電動付自転車を導入する理由がまったくなくなっちゃうんですよ。

なにしてくれてんの?って、こっちが訊きたいんですよね。


「30kgって大体、これくらいの物量なんだぞ。この黄色のファイバーに埋まるくらいでなる、”A”」


挿絵(By みてみん)


「で、これが60kgに相当する物量。この黄色のファイバーに2つのケースだ。(荷物の重さは考慮してない)”B”」




「そして、これが俺や木下達が普段からやってる物量だ(作者もこっち)”C”。それと、原付や電動付自転車のような方々の普段の物量だ。110ccものせておく”D”」




挿絵(By みてみん)


「な、30kgって結構余裕あるだろ。60kgでも余裕なんだよ」


挿絵(By みてみん)


「いや、山口部長達がおかしいだけじゃん!!」



挿絵(By みてみん)


「そりゃあ危ないかもしれないが、経験から大丈夫な積載方法や、その場合の配達方法もこの場で残しておこう」


説明を省きましたが……改めて言いますが、これだけの物量を持って配達しに行って、似たような感じで戻って来ることはまずありません。それから長距離トラックの皆様と違って、そんなに遠い距離も走りませんし、時速も出しません。一般道を走るんですよ。こんな積載だったらしっかりと、端を走りますよ。


「そ、そうだったの!?僕は知らなかったよ!!」

「……………」


これだけの積載の場合、理想が2つありまして。どっちでもいいですが。

1.前カバンの方に最初に配達する郵便物を用意する(特に定形外)

2.キャリーケースの上側に最初に配達する郵便物を用意する(特に定形外)

この2つに関しては、必ず、不在通知にならないモノ・場所を選択することです。配達ルートを無視してもOKです。


「病院とか学校。デカい大型マンションとかが理想だな。逆に不在になりそうなモノは早めには行くな」

「どうしてです?」

「万が一、午後に再配依頼が来た時、もう1度持って行かなきゃいけないからだ。10時頃に配達しに行って不在になると、再配依頼が来やすい」


午前の再配にも言えることで、確率が高いとはいえ、午前の再配の荷物が不在になるケースはあります。なので100%、配達できるというモノから配達するのが良いですよ


「前カバンには定形外やデカい荷物を入れるといい(形がよくないのが良い)。封筒やハガキみたいなののは、落失しやすいから、あんまり上部には置くな。置くなら、荷物でバリケードを作っておく」


キッチリ中に抑えるよりも、はみ出した方がより多くの荷物を詰め込めます。そして、度々書いてますが、物数 = 重量ではありません。ハガキや封筒が多い日もあれば、カタログみたいなのが多い日もあります。


「一番軽いのは空気だ。形が悪いのとかは、メッシュ状になってる事が多いからわりと軽いぞ。今はもう少ないが、年賀状は、束にするとかなり重たいからな」


AMAZONの箱とかが最たる例ですが、商品に対して、包装分が大きいので軽かったりします。だから、見た目重そうに見えますが、軽かったりしますよ。




「物量が多い時は色んな工夫をするけれど。……定形が多い場合、税金関係の書類とかが全世帯配布の時は、こんな風に積んでるぞ。一例」




挿絵(By みてみん)



「そして、最後に事例でもあった(ウチの交通事故だけど)とおり、バイクの停め位置についてだが、難しい時もあるけど、これくらいの量の場合は”反対車線”に停める事を勧める。道路って真っ直ぐじゃなくて、円柱のような感じだから、左側に倒れやすいし、歩道の内側にこけやすいからな。……とりあえず、今回はここまでだ!」




挿絵(By みてみん)




他にも事例が起こりましたが、キリがないので今回はこの辺で辞めますね。


過積載については気を付けてください。沢山持って行けとかってわけじゃありませんが、いずれ来る時になったら、覚悟して挑みましょう。(全世帯配布は大体、こんなんだしね)

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