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プロローグ 理不尽な事故
「じゃあタクちゃん、何か欲しいものある?」
母に聞かれる、僕は有馬拓也。
今は風邪をひいた患者、学校では生意気な生徒。
なんかヒップホップぽくない?
「ないよ!」
ソファに横たわったまま、母の答える。
「じゃあいってくるわよ」
ドアの閉まる音と開く音が1回ずつと、エンジンがかかる音が1回。車が発進する音が1.5回。
「あー、どうしよう。めっちゃ暇だわー」
今日、俺以外は誰も休んでないし、漫画とゲーム機が没収されてるし、そもそもあいつがいないとつまんないし…
「あぁーっ、最悪っ!」
突然、黒板を引っかく音が1回。
暗転。
痛覚。
視界の回復。
「…うぇ………ぁ……っ…」
腹に、何かが刺さっている…
これ、鉄筋だ。
身体が壁に埋まっている。
左斜め前に逆さまのトラック。
貫通した腹から血が垂れ、貧乳を伝い、首を伝い、顎を伝い、鼻を避け頭上まで伝る。
「あ、あぁ……さ……ぃ…あ….……く…」
悲鳴。と通報。
最後に、会いたかった。
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産声。
「おぎゃあ!おぎゃあ!」
新・私が誕生。
巨⭕️だったら、そこに血が貯まるな(迫真)