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プロローグ 仔羊は逃げる
初投稿です。
1話1話の長さがバラバラになるかも。
木々に遮断される空はオレンジの夕暮れ。足元が少し見えにくい。そして、大木の根や植物が地面を生い茂満たす樹海。
赤ずきんを被った仔羊が駆ける。
無知な仔羊は知っている。この先に向かうても助からないと…
金髪の仔羊は分かっている。あれから逃げ切ることは出来ないと…
か弱き仔羊は理解している。今向かっている先は森を出る道ではなく、むしろ遠ざかっていることに…
恋をしたことのない仔羊は混乱している。自分を追いかけるあれはいつでも自分を捕まえられると…
少女な仔羊は恐怖する。今、腕を掴む者はあれだと…
赤ずきんを被った仔羊は絶望した。
もはや助かる方法はない。
「少し話を聞いてくれないか?迷子の嬢ちゃん。」
まるで老人の様な渋い声、幼少期に優しくしてくれた祖父の様なあの安心感。
あれはどうやら、あたしの希望のようだ
「ぶひ!ぶひひ!!!
おじちゃんについてくれば大丈夫でちゅよ╰(*´︶`*)╯♡
こっちにした方が安心かな?