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#6 悪者

今回は少し話が進みます

冒険の始まりの話なので最後まで読んでいただけると嬉しいです


最近少しづつ読んでいただけてる方が増えてて嬉しいです!拙いながらも頑張っていくのでよろしくお願いします

私は飛行魔法で街の外まで来たので地上に降りることにした。飛ぶ感覚に慣れてないのでやっぱり歩こうと思ったのだ。草原に足をつけて歩いているときふと思った。


「人間の街って何処にあるのかしら?」


そう、私はこの世界に来たばかりで地理に疎いのだ。どうしようか迷ったがこういう時は目印になりそうなところから訪ねていくべきだと思う。という事で飛行魔法で飛んでいるときに西の方に見えた川に向かって歩いていくことにした。どんな文明でも川があるところに大きな街はあったはず。


と、思って歩いて半刻ほどで川にたどり着いたのだが街どころか村も人も見当たらない。


「この辺りには人は住んでいないのかしら?」


周りを見渡してもあるのは川に近づいたときに襲ってきた魚の身体に人間の手足が生えたような人間サイズの魔物(?)と首が二本ある全身緑のTHEドラゴンって感じの6メートルほどの大きさの魔物とカラフルな羽と2メートルほどある体調とほぼ同じ長さのくちばしが特徴の魔物の死体の山。自分の城の後ろにそびえたっていたとてつもなく大きな山脈。その山脈の一部をくりぬいたようにある、遠目で見ても死体の緑色のドラゴンが通れそうなほど大きな門。飛行魔法で飛んでる時に見えた大きな森。他にもいろいろな生き物が見えるくらいだ。


「あの門、最初空から見渡した時気付かなかったけど…あったのかしら?そもそもこんなに何もないのにアミはどうやって私の城にまでできたのよ」


アミは城から出てまっすぐ歩いて行ったはずだ。でも北に進んでも何もなさそうだったからこっちに来たが、もしかしたらあの門がそうなのかもしれない。門は締まっているがおそらく門番か何かがいるだろうと希望を胸に、倒した魔物の死体を全部アイテムボックスに入れて門に向かって歩いて行った。


また半刻ほど歩いたところで門番らしい人間が見えた。やっと人間の街に行けるって思いで走っていった。


「そういえば私の能力値で走ったら早すぎるんだった…」


300メートルほどあった距離を一瞬で移動してしまって門番から驚きと疑いの入り混じったような顔と武器を向けられてしまった。門番からしたらさっきまで何もなかったところに突然目の人間とは思えない、いやこの世のものと思えないほど美しい少女が現れたのだから無理もない。


「な、何者だ!どこから現れた!」


「あら、人に何かを訪ねるときはまずは自分からじゃなくて?見ず知らずの少女にいきなり武器を向けて一方的に質問をしてくるなんて無粋な人なのね」


少し脅すつもりで睨みつけながら言ったら案外素直に門番は武器を引いた


「失礼した!俺はダン、そしてこいつは双子のデン。お嬢さんが突然現れて驚いたんだ。この門からこっち側には危険なモンスターが多いから武器を構える癖があってな。すまない」


ダンと名乗った門番は何度も誤ってきたので今回は殺る必要はなさそう。と思いデンの方を見ると彼も頭を下げてきたので軽く頭を下げることにした。


「お嬢さんここを通りたいのなら身分を証明できるものを提示してもらわないといけないんだが持ってるか?」


この世界に転生してまだ日が経ってないのにそんなもの持ってるわけがない。


「持ってないわよ」


「持ってない?」


門番の眉がピクリと動いた


「それじゃあ鑑定を受けるしかなくなるがいいか?俺たちはここを守るのが務めだから怪しい者を通すわけにはいかないんだ。鑑定は相手のプライベートを覗き込むようなことと同じだから嫌なら断ってくれてもかまわない」


そうなのか。アミに勝手に鑑定して申し訳ないことしちゃった。


「受けなかったらどうなるの?通れない?」


「当然そうなる。身分証も無い、鑑定も受けないとなるとここを通すわけにはいかない」


「あら、それは困ったわね。私このままだと野宿なのだけど…」


小さな少女の情に訴えるような行動にバツの悪そうな顔をしながら門番は困った顔をした


「それでもダメなものはだめだ。最近吸血鬼が出たと噂があったから厳しくするように上から言われてるんだよ。お嬢さんも誰かとはぐれたなら通すのは無理だが此処にいる分には許してやるから迎えが来るまでおとなしく待ってるといい」


「そう、そんな噂があったなんて知らなかったわ。じゃあ門番さん、あなたはもう一つ考えないといけない可能性があるのじゃないかしら?」


私は妖美に微笑んだ


「それはどういう……?」


「私がその吸血鬼だとは考えなかったの?」


「そんな…こんな小さな子が……あのA級冒険者パーティー…『グレイズ』を殺した吸血鬼……」


ダンは恐怖で顔を青ざめて膝をついてしまった。


「敵襲ーーー!敵は例の吸血鬼!」


ダンが動けなくなったのでデンが警備兵に向かって叫んだ。デンの呼びかけで山脈の上からちらほらと人影が見えた。


(あ、門の上だけ少し低くなってる)


すぐに門の上に隙間なく隊列を組んだ弓兵とモンスター迎撃用の装置と思しき大砲っぽいものがこちらを向いていた。


「ダンしっかりしろ!」


「あら、しっかりしても意味ないわよ?」


私はデンの肩をつかんで目を合わせた


「私をこのまま通すか、お仲間全員と死ぬか選ばせてあげる。私は私に害がないなら私から手を出すことないのだけど、攻撃してくるなら手を出すわよ」


「断る…お前は危険すぎる…A級冒険者は超人の域に足を突っ込んだ者達だ。そんな冒険者を軽々と殺せてしまう奴に此処を通させるわけにはいかない。たとえお前の言葉が真実であろうと何かあってからじゃ遅いんだ。だからお前だけをここで討伐する!」


恐怖で沈んでたダンが覚悟を決めて立ち上がり顔を上げた


「私、完全に悪者ね…仕方がないから全員まとめて相手してあげる」


この世界にきて最初に人間を殺してしまったのが悪かったのか、完全に私は人間の敵になってしまったようだった。殺すことで心を痛めることがなくても言葉が通じる相手にのけ者にされるのは心が痛む事に気付いて後悔した。


(アミから聞いたんだろうけど、どのように伝えたのかしら?めんどくさいとは思ったけれどここまでひどい扱いになるような感じではなかったはずなのだけど…私の思い違いだったのかしら…?)

『面白かった』『続きが気になる』って方、最後まで読んでいただけた方はブックマークとレビュー評価の方よろしくお願いします


次回は二回目の戦闘を考えています。ここから話をどんどん進めていくつもりですのでお付き合いください

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