#5 旅立ち
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週3投稿とは何だったのかってくらいで、今の所毎日投稿できてますねw
少し短いですが楽しんでいただけたら嬉しいと思います
外に出た私はアミと別れて歩いていた。本人は付いて来ようとしていたがめんどくさいので遠慮した。さっきも感情が爆発してヒステリックになってたから、おそらく普段ため込んで何かの拍子に全部吐き出すタイプなんだろう。前世でもあのような女性はめんどくさいと記憶している。関わらないのが吉というものだろう。
愚痴もほどほどにして、街の中を歩いているのだが吸血鬼が一人もおらん。城があるのだから街があるまではわかる。しかし同族が一人もいないとはどういうことなのか。
「昔の大戦で私以外全滅しちゃった?私は眠り姫の効果でステータスが高いけど他の者は今の私ほどステータスが高くなかったのかな?」
思考を巡らせながら歩いていく。建物は所々崩壊した後があり、屋台の後と思しきものは廃れ崩れていた。誰か生き残りがいたとしても生きていける環境ではなさそうだ。
「これはアミと別れたのは失敗だったかしら?」
と少し後悔した。お姉ちゃん肌でめんどくさいとは思うが情報を仕入れるチャンスが減ったのは事実だ。
「ま、情報集めも冒険の醍醐味なんだし気長にいきましょう」
さて、気持ちを前に向けても何をするか決めないと意味がない。とりあえず人間の街に行こうか。見た目的には人間が一番似ていると思う。
「そうと決まれば早速人間の街に向かいますか!」
目標を決めたと言ってもせっかく長寿の吸血鬼で異世界に転生したのだからあわてる必要はない。まずは旅の準備をしなくては何かあったら大変だ。ってことで自分の部屋に戻ってきた。
「そういえば装備って何がいいんだろ?」
宝物庫からフィンガーレスの二の腕から手の甲まで覆える布(何て名前か忘れたからグローブでいいか)を持ってきたが武器と呼べるものは何も持ってきてない。自分の部屋に片腕だけ同じようなグローブがあったから付けてみることにする。っとその前に鑑定しないといけない事に気付いた。
「どうも私って鑑定してからって動きを忘れるのよね。この世界で生きていくなら慣れないと」
早速鑑定してみた結果
【黒薔薇のグローブ】
吸血鬼の称号:真祖の所有者のみ装備可能。吸血衝動低下・自動回復(Lv.10)付与
【青薔薇のグローブ】
???????????????(所有者のLv.75で解放)
と出た。グローブで合ってたんだ。前世では違う呼び方だったはずなんだけど忘れた。
「にしても、黒薔薇の方は私専用装備みたいね。青薔薇の方は高レベルじゃないと効果がわからないのね」
鑑定して装備しても問題ないことが分かったので両方とも装備することにした。青薔薇の方は見栄え的に好みだったので装備することにした。そして鏡を見ると鑑定を切り忘れていたことで自分の服の鑑定結果もわかった。
【銀月のローブ】
状態異常無効・飛行魔法(Lv.10)
【常夜の星間】
魔法吸収・STR80,000 以下の物理攻撃無効
うっかりで見てしまった鑑定結果だったが、オシリスからの授かりものってだけあってとんでもない性能だった。
「私、殆どの装備いらないんじゃないかしら……?」
呆れと諦めで顔が引きつった状態で神からの贈り物なんだから仕方がないと自分に納得させ旅に出ることにした。
「街、いえ廃墟はある程度見終わったから外まで一気に飛んでいこうかしら」
転移魔法で飛ぶこともできるがやっと外の世界に旅経つのだ、どうせならせっかく使えることを知った飛行魔法で行こうと思う。
「長々と留まっちゃったけど。冒険の始まりよ‼‼」
柄にもなく両手を空に突き上げて声を上げてしまった。でも不思議と恥ずかしいとは思わなかった。それだけ楽しみだったのだ。心の中で飛行魔法を唱えて空へと飛び立つ。生身で空を飛ぶなんて前世では絶対に体験できなかったことができて改めて本当に異世界に転生したんだと実感しながら500メートルほど上空で止まった。眼下の景色は廃墟だったがその先に広い草原と、背後に街を囲むようにそびえた立つ山、はるか先には高い木が生い茂ってそうな森も見える。森の前にはきれいな水が流れる川もあり、様々な生き物が見えた。
「さ、人間の街に着くまでにどれ程の冒険があるのか楽しみだわ」
そう呟いて私は旅だった。
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