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16/19

キャンプ遠足……そして不幸

 朝5時。

 スマホのアラームがなるよりも早く目が覚めた。

 今日は入学して最初のイベントであり1年生唯一の泊まりがけのイベント。

 テンションが上がらない方がおかしい。

 俺も早く目が覚めてしまうぐらいにはテンションが上がっている。


 いつものように身支度と朝食を済ませるとスマホが鳴った。

 確認して見ると新道のやつも早く起きたらしく、呑気に起きてるやついるか? と言うメッセージと美少女が布団を引っペがしているスタンプが送られてきた来た。

 返信しても良いが、遠足でテンション上がってると悟られると新道の事だからいじってくる可能性が高い。

 ここはスルーが安定だ。

 食材をクーラーボックスに入れる大事な仕事もあるんだ。

 昨日嘘をついて高級肉を買うという奇行をした詫びとして重たい肉を運んで行くと自ら提案することで、何とかその場をおさめた。

 

 「桜井さん結局ここ数日おかしかったのも結局謎だったんだけど、昨日の感じなら大丈夫だろ」


 ここ数日、桜井はしばらく一緒に昼ご飯を食べられないと一方的に告げて毎日彼氏と食べているようなのだ。

 彼氏というのは予想でまだ確証はないが、昼休みになると素早く教室から出て、始業ギリギリに帰ってくる所を見ると疑惑だけで片付けられないだろう。

 新道は嫌われたなんて心配していたが、昨日の会話の感じから少なくとも嫌われているようには感じなった。

 嫌いならわざわざ俺に手伝えなんて言わないとも思っているわけだ。

 だから違和感こそ感じたものの、その正体は掴めずやっぱり彼氏説というのが濃厚なまま。

 少し考えて事をしている間に2つ通知が来ていた。

 1つは桜井からでもう1つは。


 「友達では無い人からのメッセージです注意してくださいって随分物騒だな」

 

 桜井からは起きろとうさぎのスタンプのみ。

 そしてもう1人の謎のメッセージは。


 『 今日の昼。お前を必ず見つけ出す。私にはそのためのコマが揃っている』


 物騒な感じの文言が並んでいた。


 「なんだこれ? ゲームか何かか?」


 脅しと呼ぶには物騒さが足りない気がする。

 イメージだが遠足来るな、来たら命の保証はないとか脅しならこういうだろう。

 しかしこの文には見つけ出すとしか書いてない。

 俺の場合はプロゲーマーたらのすけの正体を見つけ出すって脅しに捉えられなくもないけど、日本大会の優勝した時に、思っきり顔出してインタビューに答えてるし、自分から言うつもりはないが、聞かれたら素直に答えるつもりだから、別に困らん。

 コマが何を指すかは不明だが、文面的には人手や情報と解釈出来る。

 何にせよ命の危機はなさそうだしイタズラの可能性もありそうだ。

 どっかからか俺の電話番号を仕入れてイタズラしてくるアンチやファンって線もある。

 人気者は辛いぜ。

 俺はそのメッセージを気にすることなく学校へと向かった。


 学校に着くと既にバスが数台止まっていた。

 今日はバス移動なのか。

 って当たり前だな。

 何となく移動と言われれば新幹線か飛行機を想像してしまうのはプロゲーマーだからだな。

 オーナー毎回高ぇ席とるんだもん。


 一応教室に入り、ホームルームを済ませる。

 新道が2度寝して遅刻しかけるという問題があっただけで、それ以外は特に問題はなく、バスに揺られる事90分程で目的地である山のキャンプ場に到着した。

 俺は早く起きて眠気がやってきたのでそれを吹き飛ばすために、戦場行動をしていたので一瞬で時がすぎてしまった。


 「新道おきろ」

 「ぐっ……うん?」

 「ついたぞ」


 いつの間にか眠っていた新道を起こす。

 入学初日起こしてきたくせにこいつよく寝やがるなぁと冷静に考えている場合ではない。

 通路側の新道が起きないと俺が出られない。

 なので多少強めの刺激を与えてでも起きてもらう必要がある。

 新道は寝ぼけながらゆっくり、動き出す。

 結果俺たちがバスから降りた最後の人間となり、他のクラスメイトから若干文句を言われることになった。

 この後1度広場に全学年で集合し開会式をしてそのまま調理開始となる予定だ。

 本来は俺も新道をネチネチといじる所なのだが今日は勘弁してやろう。


 「新道寝起きブサイク過ぎない? さすがにうけるわ。まじブサイクすぎて付き合えないわ」

 

 と星河さんに笑われてガチで凹んでた。

 星河さん的には笑い話のネタなんだろうけど、その星河さんに恋する男子としては冗談でも振られたようなものだ。

 新道の凹み様は面白いが、振られた辛さを知るもののとしては笑いづらい。

 

 「まぁ新道、元気出せ。次の恋があるさ」

 「うるせぇまだ振られてねぇ。というかお前はいつになったら好きな女子が出来るんだよ」

 

 新道は反撃したいらしく、強引に話題を俺に逸らした。

 しかし、現状好きな女子と言われ思い浮かぶ顔はひとつもない。

 桜井は彼氏持ち。

 星河さんは新道が狙っていて、一条さんは最近ほとんど関わりが無くなった。

 他のクラスメイトの女子は話すきっかけすらない。

 他のクラスに至ってはもっとない。

 ここまで考えて俺は中学の時からなにひとつ成長してないのではないかと言う疑問が浮かぶ。

 いや落ち着けこのイベントはチャンスなんだよ。

 だからここでワンチャン狙うのもありだ。


 「落ち着け新道。俺たちの高校生活まだ始まったばかりだろ?」

 「そ、そうだな」

 

 決意を新たに広場への道を歩く。


 高校生にもなると開会式のスムーズに終わる。

 怪我すんなトラブル起こすな楽しく行こう。

 これだけなんだから。

 式が終わると一斉に全員がバラける。

 キャンプ場はかなり広いので場所には困らないが、食材を調理する場所は狭いという事前情報があったらしく、どこの班も慌てているのだ。

 俺は他のクラスから漏れて来たその情報を今知って軽く不安になっているんだが。


 「西川いた! はよこっちこい。お前以外全員そろってる」

 「もー西川君がお肉持ってるんだから早く集まってよ」

 「ぼーっとしてんなよ」


 新道、桜井、星河さんの順に文句を言われる。

 ぼーっとしてたわけではなく安全のために動かなかったのだが、そんな言い訳しても無駄だろう。

  

 「すまんな。とりあえず女子に調理任せていいか?」

 「まて西川。おれは一応リーダーだから調理器具の貸出には俺が必要だろ?」

 

 俺の話に割り込んで来た新道は何故かずっとウインクを連発してきた。

 ウインクの合間に見ているのは星河さんだ。

 あーそういう事ね。

 仕方なく俺は新道のアシストをすることに。


 「あーそうだな」

 「なら新道君と星河さんで下ごしらえお願いできる? 私と西川君がかまどやるから」


 発言しようとした俺をねじ伏せる形で桜井が被せて来た。

 まぁ似たような事言うつもりだったからいいんだけどね。

 なんか釈然としないけど。

 新道に持ってきたクーラーボックスを預け俺たちは、かまど用のブロックを取りに行く。

 他の班もかまどを使っての調理が多いのか、ブロックを持った男子とちらほらすれ違う。


 「これどっちか場所取りした方が良さそうだよな」

 「うーんそうかもねぇ。でも実際食べられれば場所は別にどこでも良くない?」


 桜井はどうやら場所取りには反対らしい。

 俺がサボりたいから提案したと捉えられたのかもしれない。

 桜井は目立つから1人でいると声をかけられるかもしれないからそれを嫌がった可能性もあるが。

 ひとまず両手にブロックを持つと、本格的な場所決めを始める。

 

 「桜井さん的にはどの辺がいいと思う?」


 アウトドアはまるで詳しくない俺の独断で場所決めるのは良くないだろうからアドバイスを求めたのだが、桜井は場所を探しているのか無視してキョロキョロしている。

 

 「おーい桜井さん?」


 2度目も無視。

 なんか心なしかブロックが重くなった気がするぜ。

 しばらくキョロキョロしながら歩く。

 俺はそれについて行く。

 この辺りは他のクラスの班が多くいるようで、見知らぬ人ばかりだ。

 調理場の近くから埋まって行ったおかけで少し離れたここも人でいっぱい。

 そんな中1箇所だけ不自然に空いている場所を見つけた。

 ブロックが置かれているわけでもないし場所取りしている人もいない。

 完全に空いているようだ。


 「あった。西川君あそこにしよ」


 なるほど桜井はこういう隙間を探していたのか。

 案外探せばあるもんだな。

 俺は呑気にそう思っていた。

 

 「場所は決まったしここ取られたらまずいから交代でレンガを運ばないか?」

 「うん。じゃあ最初よろしく」


 先程より少し工夫した提案はあっさりと受け入れられだ。

 さっき反対したのはサボりだと思われた説で確定かなあ。

 高級肉こっそり買っただけで信頼失いすぎだよなぁ。

 少し凹んだのは秘密。

 

 かまどが組み上がり、教師を捕まえて火をつける。

 安全のため着火する時は教師を呼ぶのがルールらしい。

 だんだん強くなる火を眺め消えないと判断したのか教師はあっさり居なくなってしまった。

 かまど制作が終わってしまうとやることがない。


 「私調理の方見てくるねっ! 西川君火見といて。そこから絶対動いちゃだめだよ!」


 ぼーっとしているうちに桜井はそう言い残して消えてしまった。


 1人になると本当にやることが無い。

 自然と周りの班の様子を見る。

 もう鉄板乗せて焼き始める班もあるのかも早いなぁ。

 なんてやっていると俺の隣の班の調理担当が食材を持って来た声が聞こえてきた。


 「おーまーたーせー。逢沢さんが調理が遅くて時間かかっちゃったごめーん」

 

 その声のする方を向くと2人の女子がいた。 

 その2人共に見覚えがある。 

 1人は検問をしていたボスっぽいマリカとか呼ばれていた女子。

 そしてもう1人は俺が世界一会いたくない逢沢ハルカだったのだから。

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― 新着の感想 ―
[一言] フラグ建築家にするとハーレムくどくて 読めたものではない
[一言] すっっっっっっっっっっっごい続きが気になる!
[気になる点] ほとんどタイトル詐欺 チームどころか個人ですらゲーム練習やってる時間もゲーム内の描写も無い [一言] 陰険で読んでて反吐が出る この流れ続いてゲーム描写もほぼ無いならいい加減ブクマ外…
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