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断片の断片 <詩>

ウォッシャブル・ハート

作者: 壱宮 なごみ

山頂から見下ろす街は

凪ぎ払えるジオラマみたい

ぐしゃりと握りつぶして

仮初めの優越感


広い空に対比させ日々の

鬱憤を縮小化させ

ブルーグレーに染まる

「大丈夫」の言葉


僕には 実はね

太陽電池が内蔵されてる「設定」


雲が山にやって来たよ

風に乗ってやって来たよ

紅葉の山に影が落ちて

茶色く錆びたようだった


雲が山にやって来たよ

群れをなしてやって来たよ

銀杏の山に影が落ちて

一気に枯れたようになった


空気が澄んでいるとか

運動不足解消するとか

マシンが強いご時世

魅力感じづらい


それでも 心の

フィルターだけはね洗浄不可能らしい


雲が街にやって来たよ

風に乗ってやって来たよ

日差しを気にするお姉さんが

一息ついて空見上げた


雲が山を去ってゆくよ

風に乗って去ってゆくよ

陰ってた山に陽が戻って

前より鮮やかになるよ


電池と フィルター

洗える唯一のツールその正体

泡立つ 白い雲

瞳を通して巡ってくれたって「幻想」



雲が山を去ってゆくよ

僕の頭上を飛んでゆくよ

さっきまで暑かった陽射しが

やけに優しく降り直した


雲が僕を去ってゆくよ

風が僕を押してくるよ

くすんでた胸に灯がともって

涙が二粒流れた


もう大丈夫だって言えた



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― 新着の感想 ―
[良い点] 壱宮さん、こんばんは!相変わらず光景が目に浮かんでくるような上手い言葉の表現に惚れ惚れしちゃいました!笑紅葉と銀杏の木々に影が落ちたときの対の表現も素敵です。「山頂から見下ろす街は 凪ぎ払…
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