2話 かくにん
感想、評価ありがとうございます!!
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あ、ちなみに言いますと、バレてると思いますが、蒼はアホです。
※2018/08/17 少し加筆しました。
ほんとに少しなので、あまり気にしなくていいです。
「おーい、あおちゃんー、戻ってきてー」
あれ、なにかおねえちゃんがいってるなあ。なんていってるんだろう、きこえないなあ。ぼくのことをあおちゃんっていってるなあ。なんでだろう。ぼくがおんなのこだからかあ。んー、おねえちゃんのいもうとがぼくで、おねちゃんのおとうともぼくで………お姉ちゃん?
ハッ!あと少しで完全に壊れるところだった。ありがとう、お姉ちゃん。お姉ちゃんパワーで僕の暴走を止めることが出来たよ。お姉ちゃんは最強でした、まる。
なんて、ふざけてる場合じゃなくて、本当にどうしよう。
夢……という可能性は低いだろう。ほっぺを抓っても痛かったし、状況がリアルだし。
お姉ちゃんの反応からして急に弟が妹になった、とは認識してないだろう。
ということは、別世界?の僕(女)に僕(男)が乗り移った、という可能性が高いわけだ。異世界とかファンタジーとか知らないけど。
そうと決まればやることはひとぉつ!!
そう、お姉ちゃんに甘えるのだ!!
コミュ障の僕は上手に話すことが出来なくて、そのままズルズル引きずっていったから、普通に話すことがルナティック並の 難易度となっていた。
けど、そんな日々とも今日でおさらばだ!もう、ここには以前のような僕はいない。だからこそ念願の、大好きなお姉ちゃんに甘え、チヤホヤされるという夢が叶う時が来た。
まずは前回(男)では、なかなか出来なかった挨拶から始めよう。まあ、新生僕なら余裕ですね。
「……ね、姉さん。………お、おは………ょぅ。」
よっ、余裕ではなかったけど、なんとか言えたぞ!
「(あおちゃんがおはようって言った!可愛すぎる!でも、お姉ちゃんとしての威厳を保たないと。)
お、おはよう!遅刻するから朝ごはん食べよ?」
ああ、僕がどもったのに、しっかりとお姉ちゃんしてるお姉ちゃんマジ天使っす。
でも、まだ僕(女)についての情報が少ないから、もう少しだけ調べてから行きたいな。
ごめん、お姉ちゃん。一緒に行きたいけど、調べたいことがあるから先に行ってて。すぐに行くから。
僕はそう伝えようと思い、重たい口を開いた。
「………姉さん。先に行ってて。」
やってしまった…。折角、相手に冷たく言ってしまう自分から変われると思ったのに、結局失敗してしまう。ただ、少し言い方を変えるだけなのに、それが出来ずにまたお姉ちゃんを傷つけてしまう。
見た目は変われたのに、中身は変われないまま。…本当に嫌になる。
「分かった、先に行っておくね。準備終わったら来てね!」
……お姉ちゃんはいつもそうだ。普通は誤解してもいい言い方なのに、しっかりとこっちの意を汲み取ってくれて、何も聞かずに元気に振舞ってくれる。僕が小さい頃もそうだった。
そんなお姉ちゃんに何度救われたと思ったか。|この性格(コミュ障)のせいでろくに友達が出来なかった僕だけど、唯一、こんな僕にも話しかけてくれて、笑いかけてくれて、優しくしてくれて。
だから僕はそんなお姉ちゃんが大好きだ。
「ありがとう、お姉ちゃん」
「ッ!!(あおちゃんが微笑んだ!!うぅ、私、もうダメかもしれない。あおちゃん可愛すぎだよぉ。)」
お姉ちゃんの顔が赤くなっている気がするけど気のせいかな?こっちもチラチラ見てるし。
「……どうしたの?」
「い、いや、なんでもないよ。うん、なんでもない」
お姉ちゃんは早口でそう言い、下へ降りていった。
何か様子がおかしいような?
まあいいや。お姉ちゃんのおかげで、最終的には無事に探索することができそうだ。
よーし!探すぞー!
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お姉ちゃんを待たせてるから、あんまり時間を掛けれなかったけど、色々とわかった。
まず一つ目。女でした。
二つ目。通っていた高校とか、歳とかはそのままだった。これはありがたい
三つ目。小さい頃とかからの経歴も僕(男)がそのまま女になったみたいだった。これもありがたい。
四つ目。これが一番大事。
なんと、こっち(女)には何人か友達がいたのだ!
一応、同じクラスで知ってはいたけど、一切接していなかった人達だ。
まあ、その子たちはまた追追紹介しようかな。
よし、お姉ちゃんが待ってる。朝ごはんを食べよう。
お姉ちゃんのご飯は世界一美味しいからね!