1話 うさぎのぬいぐるみ
ああああ書くの難しい!
量も少ないし、オラに文章力を分けてくれぇ!
「知らない天井だ…」
ふざけてテンプレの如く僕は呟いたが、いや、呟いてはいないが、目が覚めるとそこは知らない場所だった。
──正確に言うと僕の部屋の色が変わっている。あと、ぬいぐるみがベットの上に置いてある。それ以外は普通に僕の部屋と全く同じだ。少し変だな。…まあ、いいや。後でお姉ちゃんに聞いてみよう。
少しだけ、ほんの少しだけ気になり、そのぬいぐるみを持ち上げてみると、僕と同じくらいの大きさがあった。
人のものを触るのは良くない……けど、このウサギのぬいぐるみは凄くかわいい。
…少しだけ抱きしめてみよう。あくまで、確認だから。状況を理解するのに必要なだけだから。
ぎゅー
なにか落ち着くな。
って、何やってんだ僕。よく良く考えれば気持ち悪い。このぬいぐるみも男に抱きしめられても本意じゃないだろう。
女子じゃあるまいし、誰かに見られでもしたらそれこそ終わr………
ドアの隙間から誰か見てる!!
ああああ、人生終った。誰が見てるんだ?まさか、このぬいぐるみの持ち主!?すいません触って!お返しします!
……あれ?
「………姉さん?」
「あおちゃん、朝だよー。起きてー」
あ、やっぱりお姉ちゃんだった。知らない人じゃなくて良かったけど、お姉ちゃんはお姉ちゃんで恥ずかしい。今の見られたかな?見られてたら死ぬ。
何故か鼻血を垂らしているお姉ちゃんに聞いてみた。
「……見た?」
「見てない、見てない!何も見てないよ!!」
全力で首を降っているお姉ちゃん。ふっ、でも残念だったなお姉ちゃん。僕はそんなに騙されやすい訳じゃないんだよ。伊達に16年を生きてきた訳じゃないからね。
「本当?」
「ッ!!本当だから!私は何も見てないよ!」
…なんだ。本当に何も見ていなかったのか。危うく高校1年にもなって、他人のぬいぐるみに顔を埋める気持ち悪い弟判定される所だった。
でも、このぬいぐるみはお姉ちゃんのものなんだろうか?
そういえば昔は僕もぬいぐるみを持っていて、周りの男子達から「女みたい」とか「こっち来んなよ女男」みたいな感じでいじめられたなあ。その度にお姉ちゃんが助けてくれたなあ。あの頃は素直にいられたのに。
それはともかく、何かいつもと違うような。まあ、部屋が違うのは何か理由があるんだろうけど、何か決定的なものを見落としているような。
声が高くなってる?……でも普段、あんまり声を出さないから分からないな。
会話……。「あおちゃん、朝だよー。起きてー」。……あおちゃん?
あっ!
「お姉ちゃん、僕のこと呼んで?」
「今、あおちゃんが私のことをお姉ちゃんって!!」
「……今、なんて言ったの?」
「あおちゃんが私のことをお姉ちゃんって!って言ったよ?」
ああ、やっぱり違和感の正体はこれか。僕の呼び方があおちゃんになっているんだ。普段から僕のことをかわいいとか言うけど、絶対に女扱いすることは無かったお姉ちゃんだ。ここに来てちゃん付けはおかしい。
うーん、どういうことだ?分からないな。…………。あーっ、もうっ、分からん!!
そう思い僕は首を振る。長い髪がパサっ、パサっと首を振る度に揺れる。
──長い髪?
僕は少しでも男らしくあろうと結構短くしていたはずだ。1日でこんなに伸びるのはおかしい。
さっきからおかしい事ばかりだ。
僕の部屋の色が変わり女子の部屋みたいになっていて、声もたぶん高くなっていて、ちゃん付け、そして最後には長い髪。
……………。僕、女子になっている?
本当にそうだとしたらヤバイ!!色々ヤバイ!!
…まだ、大丈夫。そうだと決まった訳じゃない。
最後の希望を賭けて恐る恐る鏡を覗いて見た。
「あっ…(察し)」
そこに写っていたのは中学1年生くらいのかわいい女の子だった。
作者は淫夢厨ではないのでご安心を。
(淫夢厨では)ないです
とも言いません。