そこそこ大きなGと遭遇したので天に助けを求めたら、アシダカ軍曹が赴任なされてきた
※作中に蜘蛛さんの写真があります。蜘蛛が苦手な方は「挿絵非表示」でご覧になられるのをオススメします。
夏ですね。
それはつまり、黒光りする奴らとの戦いの激化する時期であることを意味しています。
我が家でも、つい一週間前に、体長4cmほど(触角除く)の黒光り王国兵に遭遇いたしました。
いえ、実際はもっと早くから敵の気配は感じていたのです。
暗がりでカサカサッと逃げていく姿を確認したことがあったので。
畳とかの上だとゴキジェットを使いたくないので、新聞や蠅たたきで主に応戦しているのですが。生憎と遭遇時は手近に武器がなく、互いに顔合わせで撤退。
しかし考えて欲しいのです。
黒光り王国の兵士たちは、1匹いれば30匹~100匹いるとも言われます。いーやぁーって奴ですね。
それでわたくし、ホウ酸団子という毒罠を設置すると共に祈りました。「軍曹おいでください」と。
解説! 【アシダカ軍曹】
アシダカ軍曹とは、アシダカグモ(脚高蜘蛛、学名:Heteropoda venatoria)に対しての敬称である。
■最強の害虫ハンター
主食はゴキブリやハエなどの害虫であり、ゴキブリ対策を心得ている人間には、ムカデやヤモリに並ぶ駆除能力を有した最強のゴキハンターとしてその名を知られる益虫である(見た目的には不快害虫でもあるが)。
昆虫学者の安富和男の著書『ゴキブリ3億年のひみつ』によると、
"アシダカグモが2・3匹いる家では、そこに住むゴキブリは半年で全滅する"
と書かれるほどの狩猟能力をもっている、まさに知る人ぞ知る仕事人である。
その実力に敬意を表して付けられた敬称が「アシダカ軍曹」であり、彼のことを良く知る人間(=ゴキブリ退治に頭を悩ませている人間)は、彼が家に現れたりすると「赴任してきた」としばしば言い表す。
(以下、敬意を表しアシダカグモのことを『軍曹』と表記する)
■食欲<戦闘欲・好奇心
食欲よりも戦いを優先するので、たとえ仕留めた個体を食べている最中でも、他の個体を察知してハントを再開する。
■紳士
臆病とも言う。
獲物に対して軍曹は非常に獰猛だが、反面自分より大きな動物に対しては非常に臆病である。
蜘蛛は主に、足から伝わる振動で周囲を感知している。軍曹は人間や猫などの大型動物の振動を察知すると最悪の場合パニックを起こし、一目散に逃げ出す。
通常は暗所に隠れて活動しており、人間の生活圏に現れる事は滅多にない。
万が一軍曹と遭遇し、その足の長い姿に耐えられなかった場合は、目を瞑って祈りをささげつつ足踏みをするなどすれば勝手にどこかへ去ってくれるだろう。
まあ、パニックを起こして方向もわからず走り出し(※)、人間の体をよじ登ってくることもあるにはあるが。
※軍曹は基本的に「正面に向かって突っ走る」ので、横合いで足踏みをすればスルーできる。多分。
■清潔
軍曹は、消毒作用のある唾液を体に頻繁に塗っている。
このおかげで、体は非常にきれいである(そんなことを言えばGもそうなのだが、気にしてはいけない)。
■仕事が終わったら去る
軍曹だって餓死はごめんなので、Gがいなくなれば自然に出て行く。家に定住して繁殖することは少なく、家から家へ移って餌を求める、移動の習性が強い仕事人である。
――ニコニコ大百科より 引用終わり
3日後。着任なされた軍曹とこんにちは。
お若い方のようでやや小ぶりですが、特徴的な長い脚は健在。脱皮したてなのか色が薄くスッキリしており、嫌悪感が少ない見た目で助かったと申しましょうか。
とりあえず、後はよろしくお願いいたします軍曹! 先日黒光り王国兵と遭遇したポイントは脱衣所であります。
軍曹も、そちらの方に移動していただきますとありがたく!(できえれば見えない場所で戦って欲しい)
黒光り王国と軍曹の戦いを邪魔しないよう、わたくしは戦場から撤退しておきますね。
しかし軍曹。あなたはしょせん蜘蛛。猫などからは容赦なく手をだされ、なすすべなく狩られる存在。
うち、ご近所の飼い猫さんがちょこちょこお散歩にきてくつろいでいかれるのですけれど(昼間)。いえ、それ以外にも、私の車のボンネットに肉球跡をつけていく個体がどこかにいらっしゃるはずなんですが(夜間)。
無事、この戦場を切り抜けられることをお祈りもうしあげます!