第7章 「ワインレッドの海」
第7章 「ワインレッドの海」
「帰ろ・・・・。」
ルイが静かに行動を始めた。
「・・・お前、先帰ってろ。」
静寂が、流れた。
ルイも俺がやろうとしてる事が分かってしまったんだろう。
「うん・・・。死んじゃ駄目よ。」
俺は歩き出す。後ろは振り返らない。
ルイとは反対の道を行く。
着いた場所は、懐かしい制服が見える。
俺の中学校だ。元が付くけど・・・。
拳が次第に強く握られる。爪の先が真っ赤になっている。
同級生を見つけた。俺をいじめてた奴の下っ端だ。
不本意ではあるが、余興を楽しむ。そんな感じで、そいつを校舎裏に連れて行った。
簡単だった。こいつらは、俺が何もしないから、調子に乗ってただけだった。
醜い様だ。俺を馬鹿にして大笑いしてた奴の顔だ。
思い出した。それと同時に凄まじい怒りが芽生えた。
すでに、気絶した奴を更に殴る。
殴る度に血飛沫が舞う。そして、返り血として俺の顔や服にこびり付く。
快感。まさに、サディストだ。
5分後には、小さな赤い海が誕生した。
俺は、まだ納まらない。この怒りだけは。
全員、殺してやる。
二人目のターゲットは、すぐに見つかった。
後ろから首を絞め、意識が飛んだ所を学校沿いの川に落としてやった。
落ちた時に、鼻を打って川が薄い赤に染める。
それを見るだけ、俺は疼く。そして、新たなターゲットを見つける。
先生だ。いじめを容認して、俺から逃げた男。
俺は、ロッカーからはみ出た、箒を折った。尖った矛先は、先生の全身を突き破った。
騒ぎ声がうるさかった。だから、喉元を狙う。
刺さった瞬間に、先生は身動きを取らなくなった。
また、小さな赤い海の完成。
俺は、1時間以上学校で、暴れまわった。
もうターゲットもいないので、こいつらへの復讐は終わりだ。
残すは、黒陵院凰蓮だけ。
いずれこうなる事は、分かっていた。
俺は、血だらけの上着を捨て、黒のロングTシャツ一枚になった。
Gパンは、返り血を浴びて、所々が赤黒い。
まぁ、気にしなければいい。
黒陵院家に向かう足取りは、遅くなく速くなく、確実な一歩で進んだ。