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戦乱の異世界で、◯◯◯は今日も△気に□□□中!!  作者: 宇都宮かずし
『戦乱の異世界で、シスコン陰陽師は今日も健気に妹溺愛中!!』編第一部 元暗殺者のシスコン陰陽師。勇者になって世界を救う!?
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第十二章 恋愛確変突入?

「ルンルンルン♪ 騎士学校の授業。楽しみだなぁ♪」


 校門を抜け、校舎の昇降口へと向かっているオレ達。


 明那は、今にもスキップを始めそうな程に浮かれながら、ソフィアと並んでオレの前を歩いている。


 まっ、教会付属のエリ女は、座学オンリーの学院だったそうだからな。身体を動かす実習や、訓練のある騎士学園の授業が嬉しいのだろう。


「エミリア様、楽しそうだね」


 校門前でファニと一緒にオレ達へ合流したエウルが、そんな明那を微笑ましく眺めていた。


 エミリア様とは、言うまでもなく明那の洗礼名。エウルから見れば年下であっても、一応は聖女様である。

 なので、エウルもファニも明那の事はキッチリと"様"付けで呼んでいた。


 まあこの二人、最初の頃はオレにも様を付けていたけど。


 年齢と言えば、エリ女も騎士学園も日本の高校とは違い、入学して来る生徒の年齢は結構バラバラだ。


 入学規定は十五歳以上となっており、十五歳で入学してくる生徒もいれば、二十歳を過ぎてから入学してくる生徒もいる。


 ちなみに、ソフィアと明那は十五歳でエリ女に入学しているから、今は十六歳。そして、オレとファニが十七歳。そして実は、エウルがこの中では最年長の十八歳なのである。


 結婚適齢期を迎えたのにも関わらず、周りに男っ気の全くないエウルに心配した両親が金に物を言わせて、この婚活学園――もとい、騎士学園へねじ込んだという話しだ。


 噂では、卒業までに婚約者を見つけられないと、(よわい)100歳を越えるドワーフの豪商へ第十五婦人として嫁がされるとか何とか……


 ちなみに、エルフ程ではないけどドワーフもかなり長生きで、普通に150歳くらいまでは生きるそうだ。


 まっ、そんな話は置いといてだ。


 教会付属の学院で一年過ごしている明那達。手続き上は留学という扱いなので、オレと同じ二年生。しかも、同じ剣術科の二年A組――つまりクラスメイトとなる。


 妹と同じクラスとは、まるで留年でもしたような気分であるが……

 まあ、そこはオレの留年ではなく、優秀な妹が飛び級して来たと思っておこう。


 そんな事を思いながら校舎へとたどり着くと、昇降口前に見慣れた女生徒達――学生会会長のサンディ先輩とその取り巻き達が立っていた。


 いつもなら、真っ先にオレの方へと来るところなのだが――


「お待ちしておりました、エミリア様」

「ほえ?」

「わたくし、学生会で会長をしております、サンディ・スェートと申します。以後、お見知りおきを」

「はあ……これは、ご丁寧(ていねい)にどうも……」


 そう、今日に限っては、ナゼか明那の方へと向かいって行ったサンディ先輩。

 キョトンとする明那へ目を向けながら首を傾げていると、ファニがオレの耳にスゥーと口を近寄って来た。


「サンディ先輩。アキラの時の失敗を踏まえて、昨日の内に男子生徒へ紳士協定を結ばせたらしいよ」


 オレの耳元へ口を寄せ、ヒソヒソと話すファニ。


 ああ、なるほど。そういう事か……


 つまり、聖女とは勇者の女版である。まあ、勇者に比べれば多少は落ちるけど、それでも嫁に迎えられれば家の名前に箔がつくのは間違いない。

 しかも、貴族の一夫多妻が普通であるこの世界において、勇者の嫁は複数でもOKだが、聖女の相手はお一人様限定。


 競争率で言えば、オレよりも激しいかも知れないな。


 つまりはオレの時と同様、男子生徒が殺到して騒ぎにならないよう、学生会が間に入ってくれたという事なのだろう。


 ファニの言葉で、現状を把握したオレ。


 そしてサンディ先輩は、そんなオレの納得顔を横目に見て、口元に微かな笑みを浮かべた。


「詳しい事は、アキラ様にお聞きするとよろしいでしょう」


 くっ……

 面倒な事を押し付けられた。


 とはいえ、兄妹二人して学生会に面倒事を押し付けているのも事実だ。

 そのくらいなら引受けましょう。


「お兄ちゃんに……?」

「はい。とりあえず、コチラをお受け取り下さい」


 そう言って、四通の便箋が乗せられた銀のトレーを差し出すサンディ先輩。


 初日から四通とは、結構ハードだな。


「え~と、コレは?」

「男子生徒からの手紙になります」

「男の子から?」

「はい。エミリア様と一度お話しをしたいという男子生徒が多数おりますので、混乱を避ける為に僭越ながら学生会で取り次ぐ事となりました」

「てことは、これって……ラブレターッ!?」


 おそらく、初めて貰ったであろうラブレターに目を輝かせる明那。


「モテ期なの? モテ期が来たの? 恋愛確変突入なのっ!?」

「良かったですね、エミリアさん」

「うんっ♪」


 嬉しそうにラブレターを胸に抱き、ソフィアと一緒に校舎へと入って行く明那。

 そして、そんな明那の後ろ姿へ、憐れむような視線を向けるオレ達……


「あんなに喜んじゃって……」

「いいのかい? 今の内に、真相を教えておいた方がいいんじゃないかな?」


 真相ねぇ……

 そのラブレターには、愛情(ラブ)の要素など欠片もなく、ただの政略結婚の申し込み書だってか?


「まっ、習うより慣れろ。体験して実感するのが、一番手っ取り早いよ」


 頭で考えるのではなく身体で感じろ。

 そう、肉体言語が土御門家の教育方針なのだから。


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