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トラウマ  作者: 梶原鶫
2/2

異変

次第に変わっていくわたしの立場。これからどうなっていくのか・・・

「ただいま」

夕方五時ぐらいだっただろうか兄の帰る声が聞こえた。

母が玄関に向かう。

「おかえり、猛。ちょっとお話があるから、手を洗って居間に来てちょうだい。」

そういって母は台所に行きおやつの用意などをしていた。

兄は不思議そうな顔をしながら、手を洗いに行った。

その時、私は庭で犬のガルと遊んでいた。

「かな〜かなも手を洗って居間にいらっしゃい。」

いつもの優しい母の声とは違く何となくキツイ言い方にも聞こえた。

「分かった。」

私も返事をし手を洗って居間に向かった。

「これ美味しいね。お母さんが作ったの??」

「そうよ。美味しくできてよかったわ。」

兄は母が作ってくれたドーナツを食べていた。

「かなはいらないの??」

母の問に私はコクリと頷いた。

「あなたも居間に来て。」

母が庭に居る父を呼んだ。

全員が居間に揃うと母はお財布をテーブルに置いて話始めた。

「お兄ちゃん今日、このお母さんのお財布いじった?」

「僕いじってないよ!」

「そう、じゃあ今日おうちに誰か来た??」

「誰も着てないよ!!」

首をかしげる母。

「おかしいわね・・・じゃあどうしてお金がなくなるのかしら?!」

母は言いながら私のほうを見た。

「もういいだろ。なくなってしまったんだから仕方ないじゃないか!」

父が少し怒った口調で話すと母もそれ以上はなにも言わなかった。

それからというもの、我が家では度々お金が無くなったり、母の指輪が無くなったりと物が良くなくなった。

近所で空き巣がはやっていると言われているそうだ。

でも我が家には、土日は兄も私も家に居る。

平日は午後二時過ぎからは母が居る。

空き巣が入るには、遠慮がちな物がなくなっていた。

母からするとどうにも私が怪しかったらしい。

私は、学校では成績はそこそこ良かった。

目立ちたがり屋で両親からは、でしゃばりでと良く言われていた。

友達も多く、何かと母に欲しい物をねだっていたからだ。

でも私は取ってない…。

そんな事を考えているうちに、またお金が無くなったというのだ。

今回は明らかに、しまっておいた戸棚がグチャグチャだった。

こうなってしもうと、もはや私のせいにされるのは分かっていた。

「かな!!今までは、お母さん何も言わなかったけどいつまで泥棒みたいな真似していくつもりなの?自分のしてることがはずかしくなの?」

いったいどれくらい母にガミガミ言われたのか覚えていない。

その日は、悔しくて押入れの中に閉じこもって泣いた。

次の日からだ、私に対する母の態度が変わったのは・・・。

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