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「だめ、絶対だめ」
「.....私も嫌だけど....」
「じゃあ問題無いでしょ」
はるに全拒否され中。
「頷いちゃったし....」
「......だめ」
実は文化祭があったりするんです。
私のクラスはよくあるメイド&執事喫茶。
クラスの女の子から絶対メイドやってって
頼まれちゃって、頷いた私。
「そういう格好は俺の前だけ」
「っ....///」
ぐいっ、とはるに引き寄せられて
唇が触れそうな距離で話す。
「他の男に見られるとか、だめだから」
そう、はるが言っているのはメイド服。
「鈴は俺の、でしょ」
はるは結構、強引だ。
「ん...っはぁ....、っふ、ぅ...っ」
震える手ではるの服を握る。
「わかった?」
「......で、でも...」
まだ頷かない私に、はるが溜息を吐く。
「........もういいよ、」
「え、許し「勝手にして」
「え?」
許してくれたんじゃ、ないの?
私から離れてくはるの背中が滲んでく。
「、.....」
ぽろり、涙が零れる。
「っ....」
声を出さない様にぎゅ、と口を結ぶ。
ばたん、
玄関が閉まる音がして、はるがどこかへ
行ってしまったのがわかった。
「は、る....っ...、」
着ないって言えばよかったのに。
はるを怒らせてしまった後悔で
ぐっと唇を噛む。
「.......。」
口の中に血の味がする。
あぁ、強く噛みすぎだ。
わかっていても和らげられない。
「、すー?」
ふと、上から声が聞こえた。
入ってきた事にも気付かなかったのか。
「.....さっきはごめん。約束は守ら....、
上向いて、鈴」
無理でしょ。
今、上向いたら泣いてたのバレちゃう。