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白猫  作者: 檸檬
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春樹sida




「俺が会った頃はまだ小さかったので...

でも、優しくて純粋な子でしたよ」




俺が会ったのはすーが一人で泣いてる時....




ーーーーーーーーー.....





「ぅっ.....ふぇ....っ..」


「.....?」




夜、パーティーの帰りで、

一人で外を歩いていた。




「うぅ...っ....おと、さんっ...」




通る公園から泣き声が聞こえてきた。




「誰かいるの?」




気になって公園に入るとブランコに座って

一人で泣いてる女の子。




「どうしたの?」




その子の前に立ってしゃがむ。




「だ、れ....?」


「僕?僕は春樹!!君は?」




にこっとその子に笑いかける。




「鈴....」


「すず?」


「うん」




話してる間にも鈴の大きな眼からは

ぽろぽろ涙が流れ続けてる。




「鈴はどうして泣いてるの?」


「....っお父さんが、...死んじゃっ...た」




もっと泣き始めた鈴をぎゅっと抱きしめた。




「はるくん....?」


「寂しいの?」


「....っうん、」




鈴も抱きついてきた。




「じゃあ、僕が鈴の側にいてあげる」




きっと、すーは覚えていないけど、

この時初めてすーとキスをした。




ーーーーーーーーーーー....




「はる?」


「ん?」


「なんか、いい事あった?」




いつの間にか眼を覚ましたすーが

俺の顔をジッと見てる。




「すーと初めて会った時の事思い出してた」




ふわふわしたすーの髪を撫でる。




「っ....あ、ぅ...」




狼狽えるすーを見てにこにこ笑う。




「......帰るぞ」




杏さんと那岐さんが立ち上がり玄関へ向かい玲音さんと知音さんはすーをみてて

呉羽さんは溜息を吐きながら、

杏さんに着いて行く。




「はる.....」




すっ...と俺の首に腕をまわしてくる。




「っ、」




.....本当、どこまでも優しい...




「ん...っ」




玲音さんと知音さんの前で、

俺らはキスをした。




「「.....」」




二人は無言で帰って行った。


すーが言わないのは二人を守るため。




「ん、...っふ...は、る....んん...っ」




すーの甘い声は俺を誘う。




「鈴...」




こんなにも、余裕がない。




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