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「へーぇ♪面白い事になってるねぇ」
「......李央」
「はいはい、わかってるって。
僕は君らを敵にしたくないんで」
怖い怖い、なんていいながら
肩をすぼめる。
「あと、すーに手出さないでね」
「さぁー??どうだろねっ」
ああ、なんでわざわざはるを挑発
するかな....
「俺の、だから」
「....なぁーんだ。くっついちゃったの?
つまぁんないのー....ま、でも」
なにがつまらないんだ。
「!?や、ぁ...っ」
耳を舐められて出た声。
咄嗟に口を手で覆った。
「......李央、殺すよ?」
「ヤだなぁー春樹はもっとイロイロ
しちゃってるくせに」
チラッと李央がこっちを見た。
.........首?
「うるさい。俺はいいの」
「なにそれ」
ぎゅ、私を後ろから抱きしめる
はるの腕の力が強くなった。
「油断しすぎ」
耳元で囁かれて、びくんと反応する。
「あー、もうっ!!手出さないからココで
イチャイチャすんなっ」
「今日だけ泊めてくれればいいから」
明日は学校だし朝早く起きて
一回帰ってから制服とか来てかないと....
あぁ....めんどう。
「すー?」
そういえば呼び方戻ってるなぁ...
「鈴....何、考えてる?」
「っ....、」
いきなり、なんて反則だ。
しかも耳に唇スレスレで、
いつもよりちょっと低い甘い声で。
「いつまでそこにいんのー?
こっち来なよーっ」
李央がリビングから呼んだ。
「ふ...行こっか」
ドクンドクンドクン.....
「バカはる....」
私が耳弱いのわかっててやってる。
私の手を引きながら歩くはるに
悪態をついてみる。