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「また来いよ」
「はい」
「ふぇ...っ...やだ!!」
ぎゅ、っとはるの腕にひっついて
半泣きで店をでる。
「あぁ、もう。泣かないで。ね?」
ちゅっと瞼にキスしたり
するする頬を撫でたりしてなんとか
慰めようとしてるはる。
「キス、して...」
「っ...すー、」
なにも考えなくてすむから。
マスターにされた怖い話忘れてられるから。
「ん..っ..、ふ、ぁ..」
自分からキスをねだったのは初めてで、
いつもより力がはいる。
「力抜いて....」
一回離れてまたくっ付く。
それが何度も繰り返されて深いキスを
された後は頭がぼーっとしてた。
「ふ....すー可愛い、」
「は、る.....」
ゆっくりバイクの後ろに乗せられて、
はるも乗って私の手を腰にまわさせる。
「ちゃんと捕まっててね」
「うん」
ーーーーーーーーーーーー....
ーーーーーーーー....
ーーーーー....
「すー、降りて。...すー?」
マンションに着き、すーに呼びかけるも
無反応。
もしかして、寝てる?
「泣き疲れちゃったかな」
ふわり、とすーを抱き上げて
マンションのロックを解除していく。
ガチャ
「ん....はりゅ...」
りゅって...寝ぼけてる...
「すー、ベッドで寝ようね」
「うん....」
かわいい、もうほんとかわいい。
理性飛びそう....
すーを俺のベッドにおろして
とりあえず部屋をでる。
「や.....はるも、寝よ..?」
....出れなかった。
服の裾を掴んで上目遣いでお願いされた。
無理、おいてくとかできない。
「ん、いいよ」
ベッドに入ると小ちゃくなって
寄ってきたからぎゅ、っと抱き寄せる。
「スー....スー....」
寝息が聞こえてきて眠ったすー。
じゃ、俺も寝ようかな....
「おやすみ、すー」