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「由那由那!!あげるっ」
「え?」
あのおいしーケーキ屋さんをでて、
まぁいろいろブラブラと。
「わ、どうしたのこれ」
「さっき見つけた!!
由那に似合いそうだったから」
鳥籠と花のチャームがついたストラップ。
「ありがとう、鈴」
「んーん。こちらこそ」
「...え?」
ふふ、意味わかんなくていいよ。
「さ、次どこ行くー?」
「李央うるさい」
「酷っ!!」
今はこんな楽しい時間にいたい。
「すー、ちゃんと前向き向いて歩いて」
転ばないことくらいわかってるくせにね。
「じゃ、はるの腕つかむー」
「前向いてって」
「ヤダ」
横にさえ気をつけてればーー..ドンッ
「わっ、ごめんなさい!!」
「いや、だいじょ...鈴ちゃんみーっけ!!」
「は?....呉羽っ!?」
チッ、面倒なのにみつかったしー
「すず、?」
「....知音」
全員集合しちゃってるっぽいわ。
最悪ー....
「ほーこれが噂の火焔?」
「李央は由那連れて帰って」
「へいへーい」
二人がいなくなったところで。
.......逃げていい?
「こら、すー」
「あれ?出てた?」
「「「「思いっきり」」」」
おおう....つっこまれた。
「だって話す事ないもん」
「俺等があるんだよ」
「えー...うざぁい」
「おまえなぁ......」
玲音と会話してる時にはるは呉羽から
お説教をくらってた。
「春樹は幹部補佐!!わかってるの?
俺等がいない時は指揮とれる人がいないと
困るでしょ!!」
「はい」
「秋夜と葵だって心配してるんだから」
「...すいません」
私が巻き込んだから。
はるの優しさに甘えたから。
はるだけじゃなくもっとたくさんの人にも
迷惑をかけてる。
「春樹も火焔の一員なんだから怪しい奴
といたら危ないだろ」
那岐はわかってるのかな。
なにげない一言が人を傷つけることある、
と言うことを。
「ーー...やめてください」
「は?」
「いくら那岐さんでも、
すーを傷付けるような事は許せません」
玲音に捕まってた私の手をとって
歩き出した。
「はる??大丈夫だよ?那岐の言った事は
気にしてないし」
「.......」
本当なんだけどなぁ。
那岐の事なんてどうも思ってないし
何言われようがどうでもいいんだけど。
「庇ってくれてありがと」
「......すーは違うのに」
「いいって。わかってほしい人に
わかってもらえてるなら」
あの中でも怪しい奴とは思われてても
スパイかもしれないって思ってる人は
いないと思う。
「何があってもすーは俺の大切な人だから」
こういう時よく“殺人しても?”って言う
けど私達は殺し屋。殺しは当然。
「....ん。私もっ」
「よし。そろそろ帰ろうか」
「うん」
帰ったら由那にいろいろ聞かれるんだろう
なぁ........めんど。
ーーーーーーーーーーー.....
ーーーーーーー.....
ーーーー...
正座って....正座って...何!!!?
「ゆなぁ...まだ怒ってるの?」
「心配したんだから!!」
帰ってきた瞬間説教されて正座させられ
20分経過。
「ほんと何もなかったんだってば」
まず杏達が私やはるに危害を加える事は
ないだろうし。
「本城さん、ごめんね?」
イケメンはるくんが謝っても効果ナシ。
「二人とももう少しそうしてなさいっ!!」
あう......放置プレイですか。
「足痺れるー疲れたぁー」
私達がいるのはリビングではなく、
はるの部屋。
「すー、おいで」
「?」
正座の最中なんだけど。
「なぁに」
「ん?気にしないで」
すでに正座を崩してるはるの足の上に
向き合う形でちょこんと座る。
「...っ..ひゃ...」
「まだ耳弱いんだ?」
知ってるくせに....っ
ワザと耳に息をかけてくる。
「んっ....ゃ...っ....は」
今日はキスしないかなーって思ってたけど
やっぱ一回はあるんだね...
でも、今じゃなくてもっ!!
「すーも気付いてるんでしょ?
抵抗しなかったね」
「だって.....」
できなかった。
それにしても抑えこまれるもん。
「はるだって気付いててしたでしょっ」
「もちろん」
はるも李央と同じで変態だー!!
「コソコソしてないで出てきたら?」
気まずそーな由那と拗ねてる李央。
「お説教された直後にイチャイチャ
してんなーっ!!てかキス....!!!」
「な、なんかごめんね...?」
なぜ由那が謝る。