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「床が濡れる」
「別にいいでしょ」
「ダメだから言ってるんだけど」
......むー...
「拗ねないの。濡らした所ちゃんと
拭いといて」
いつも甘やかすくせに(まさかの自覚あり)
こういうのはきちんとしてるし...
「わかった?」
「はぁーい」
雑巾ってどこだっけ?
確かキッチンにあったような....
「あははっさすが春樹。
鈴の扱い方よくわかってるよ」
「甘やかすだけじゃないんだね...」
由那の言葉に春樹は苦笑した。
「....そんなにすーに甘い?俺」
「うん」
「誰が見ても」
せっせと鈴が床を拭いてた時の会話。
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ーーーーー.....
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春樹side
「春樹、鈴遅くない?」
「もう30分は経ってるよ...」
床を拭くだけに30分もかかるわけない。
なんかあった?
でも家の中だし...
「ちょっと見てくる」
キッチンには...いない。
風呂場には....いた。
「はぁ...寝てる」
やめてよ、すーになんかあったら
狂っちゃうから。
「ん....」
手を近付けると擦り寄ってくる。
うっすらと目が開き、俺を見て笑った。
「はるー.....」
「!!っ.....///」
寝ぼけてるんだろうけど、
抱きついてくる。
「..........すーが悪いんだよ」
「んっ....は、ぁ...っ...ふ」
そんな目で俺を見て、
そんな声で俺を呼ぶから。
「好きだよ、すー...」
好きが止まらなくなる。
「んー....」
抱きしめれば俺の体に隠れてしまうほど
小さくて華奢なのに、背負ってるものは
自分の体よりとてつもなく大きいもの。
その全てがすーの負担にならないように
俺が支える。
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ーーーーーー....
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