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「ほら、大丈夫だって。泣かないで?」
「ふぇ....っ...だってぇ....」
家に着いてから耐えきれなくなって
涙が溢れてきた。
「お腹すいた。グラタン作ってくれた?」
「うん....後は焼くだけ」
あんな青くなってて大丈夫なわけない!!
「じゃぁ一緒に食べよう?」
「...焼いてくる」
早く治療しないともっと腫れちゃう....
焼いてる間にやらないと。
「はる、これで頬冷やしといて」
保冷剤をタオルで包んで渡した。
少しでも冷やしとかないと....
「ん、ありがと」
さっき頬触った時熱もってたし...
湿布もいるよね。
「はるー湿布ってどこにあるの?」
「えっと...確かそこの棚に救急箱あるはず」
言われた引き出しを開けると、
たしかに救急箱発見。
「え、わ...ちょっ...自分で貼れるよ!?」
むぅ....そんな嫌がらなくても....
「(拗ねた顔ヤバい...)張ってくれる?すー」
「うん!!」
そぉっと貼ったけど少し触れただけで
痛そうに顔を歪めてた。
「はる....痛い、よね」
はるが座った正面に膝立ちして視線を、
同じくらいの高さにした。
「っ....////」
「熱あるの?」
耳まで真っ赤で...結構熱あるんじゃないの!?
おでこを引っ付けて熱を計ろうと...した。
「んっ.....は、る..っ..ふ....」
おでこをくっつけた瞬間、
後頭部を引き寄せられて唇が触れた。
「はぁ..っ.....いきなり、何...?」
「すーがあまりにも無防備だから...」
今、“挨拶”する必要あった...?
「...ねぇ、すー他の男とキスしたりしてる?」
「え?玲音とか知音とか駿...あ、後
呉羽と一回だけ」
そういえば紅はしてこないなぁ.....
まぁ疲れないからいいけど。
「.....キスは好きな人とするものなんだよ」
「挨拶じゃないの?」
玲音達、嘘つきじゃんか。
「違う。それに家族とするものじゃないよ」
えぇ!?今まで何回もしちゃってるけど...
「あ、でもはるだったら問題ないよね?」
「........説明聞いてた?」
ちゃんと聞いてたし。
「だって家族じゃないし好きだもん!!」
「(好きの意味次第だけど)まぁ、うん」
あ、グラタン焦げる!!!!
「わわっ...やば!!」
ダッシュでキッチンに向かい、
オーブンを覗くといい感じな焼具合。
「はい!!出来たよ♪」
二人分をテーブルまで運んで、
テーブルを挟んだはるの正面に座った。
「「いただきます」」
ん、上出来だね。
「シーフードにしてくれたんだ?美味しい」
やっぱり料理したら誰かに食べてもらえると
嬉しいよね。
んで、美味しいって言ってもらえたら最高!!
「ありがとー」
完食してくれて、洗い物も手伝ってくれた。
「はる....家、戻ろうかな」
ソファに座りながらボーッとテレビを
見ていた時、ふと思った。
「...どうして?」
「はるが殴られたのは私がここにいるから。
だったら戻ればいいのかなって」
家に戻っても今までの様に玲音と知音に
接する事はできないけど....
「すーを守るためならこのくらい大丈夫。
でもすーが戻りたいなら俺は止めないよ」
「戻り...たくはない」
「じゃぁこ「こんばんわー!!」
.........誰?
「はぁー....また来た」
「え?え?誰??」
今、抱きしめられてる状態だから
玄関が見えない。
「顔、絶対見せちゃダメだよ」
「う、うん...」
本気な顔だったから頷いておいた。
「あっれー?それ彼女だったりする??
可愛いのー?見せて見せて!!」
.....わかっちゃったよ、誰だか。
「勝手に入るなって言ってるでしょ。
李央<リオ>...」
No.4Black cat まぁ...チシャ猫...かな。
「僕と春樹の仲でしょ〜!!
で、その子誰??」
私に異常に懐いてて処女を奪われそうに
なった事もあり、いつも身の危険を
感じています.....
「李央に教えたら汚れるから嫌」
「え〜失礼な!!僕そんなに女の子好き
じゃないよー?」
はる....絶対バレるよ。
「あれ....この香りって...鈴!!」
ほらー!!匂いでわかっちゃうよこの人!!
「なんで春樹の家にいるの?
もしかして監禁されてるとか!?」
「ち、違う違う!!」
李央は嫌いじゃないけど、
変態ドSだからちょっと苦手.....
「ちょっ...どこ触ってんの...!!」
「李央!!すー返せ!!」
李央の膝に下ろされた。
「ん?鈴の胸♪」
「やぁっ.....」
「ふふっ、相変わらず可愛い反応だね」
はるがキレてるよ!!
「悪ふざけが過ぎるよ...李央」