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白猫  作者: 檸檬
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「真面目に答えてよ、鈴ちゃん!!」


「えー?何の事?」


「っ...鈴ちゃん!!」



めんどくさいなぁ。

学校こなけりゃよかったー!!

てか呉羽とクラス同じだった事忘れてたし。



「玲音達がどんだけ心配してるか

わかってるの!?」


「さぁね(笑)」



気付いてる?

クラスの視線集めちゃってるんですけど。


その中には、

はるの焦った顔と由那の心配そうな顔も。



「生きてるから大丈夫だって!!」


「そうゆう問題じゃないでしょ!!

春樹!!なんか知ってるんでしょ?」



ちょーっと呉羽さん、やめてくれません?

はるに問い詰めるのやめてよ。



「ぇ....あ、...ぅ...」


「春樹、玲音や知音が大切にしてるって

よく知ってるでしょ....?」



自分とこの副総長に嘘ついていいわけない。

でもはるは私の為につくかもしれない。

....そんな事、させたくない。



「...俺は、すーも大切なんです」



肯定と受け取れる答え。

それでいい。



「皆さんには悪いと思います。

でも、俺は何も言えません」


「春樹!!」


「これは、椎名春樹として言ってるんです」


「....。」



呉羽が黙った事で、

教室にはなんとも言えない雰囲気が流れた。



「あ?なんだよこの空気...」



そこに紅が教室に入ってきて

私、はる、呉羽だけが立ってるのを見て

溜息をついた。



「なんでもない。授業始めて」


「....あぁ。西条、春樹さっさと座れ」



呉羽は不満気な顔だったけど渋々座った。



ーーーーーーーーー......



下校時間、はると裏門で待ち合わせしてる。

だから早く行かなきゃいけない。



「鈴ちゃん!!」


「なーに?」



なのに、まだ諦めない。



「あの話もちゃんと終わってないでしょ!?」



はぁ....しつこいなぁ。

疑ってるならそれでいい。



「どうせもう関わらないからさ、

私が誰だろうと関係ないでしょ」


「玲音と知音は家族でしょ!!」



なにも知らないから言えるんだよ。



「家族だから、大切だから.....

知らないままでいいんだよ」


「え......?」




しまった....余計な事言った。



「え!?ちょ、鈴ちゃん!!」



無視して教室をでて、裏門に向かった。



「はるっ...ごめん、お待たせ」


「呉羽さんでしょ?大丈夫だった?」


「うん」



まだ肌寒いなか、だいぶ待ってたはずなのに

私なんかの心配してくれる。



「倉庫行くからちゃんと家にいてよ?

少しでも出かけるんだったら連絡して」



お留守番する子供にお母さんが言うような

セリフだし。



「ん、わかった。夕飯は?」


「それまでには帰るから待ってて」



よかった...とか思ったりする。

一人で食べるのは寂しかったりするから。



「じゃ、行ってくるからいい子にしててね」



ちゅ、と私の髪にキスして出てった。



「暇、だなぁー....」



私一人しかいない部屋はとても静か。

本来の私はあまり喋らないから静かな所は

慣れてるけどね。



「はる早く帰ってこないかな....」



まだ30分程しか経ってないのにこの言葉。


ご飯作っておこうかな。

材料ないみたいだから買い物に行って...

作れば丁度いいかも。



「えーと....電話して...」



携帯ではるの番号をだして電話。

ご飯何がいいか聞きたいし。



《プルルル....ッ...もしもし》


「あ、はる?買い物行くんだけど、

夕飯何がいい?」


《作ってくれるの?

じゃあグラタン食べたい》


「はーい」


《帰ったらまた電話してね》


「うん」



やっぱりグラタンか。

好きだからねー....



「...このままでいっか」



スウェットにTシャツというラフな恰好

だけど近くのスーパーだしいいよね。




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