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「すー起きて、買い物いくから準備して」
「ぅ〜...おはよー...」
頭がぼーっとする。
昨日自分の情報にロックかけなおしたし...
「着替えたらリビング来てね?」
「はぁい」
はるが出てったのを確認してごそごそ
かばんを漁って服をだす。
「眠ーい...」
ーーーーーーーーーー....
はるside
「あの呉羽さん今日は用事があって
倉庫いけません」
《わざわざ電話したのー?別にいいのに》
「一応ですよ」
確かに呉羽さん達もいない時はよくある。
まぁ、でも俺は下だから。
《ないとは思うけど、どこかが攻めて来たら
呼び出すかもって事は覚えといてね》
「はい」
《じゃ〜ね〜》
....理由とか聞かれなくてよかった。
すーの為とはいえ呉羽さん達に嘘つくのは...
「はる準備出来たー」
「こっちおいで、ご飯あるよ」
でも、玲音さんと知音さんには悪いけど
すーを疑うなら俺は嘘をつくよ。
side END
ーーーーーーーー....
「まだ組は動かしてないみたいだよ」
「そうだね、でもそのうち動かすよ。
すーがいきなり消えたんだから」
私達が来たのは住んでるとこより少し離れた
大きいモール。
ここなら玲音達に見つかる可能性低いし、
色々種類があって選べる♪
「あはは、見つかったら倒してあげる♪」
はる、顔引き攣ってるよー?
でも本当に倒しちゃうかもね。
「あ、このテーブル欲しい!!」
話をかえて、指さしたのは折りたたみ式の
小さめのテーブル。
「それと、後は棚っぽいのいるでしょ?」
「んーじゃあ...あれ!!」
テーブルに合う棚を選んで、
この後も買い物するから届けてもらう
事にした。
「次はー...すーの服!!俺選んでいい?」
「いーよ」
お金はるが払うみたいだし.....
いっぱいあるのになお金。
「すー試着して」
「.......それ?」
「うん」
ニコニコしながら持ってきたのは
ノースリーブの白ワンピで裾に小さい
ぴんくの花が刺繍されてて可愛い。
「似合わないと思うよ....?」
こういうのは由那みたいな女の子が着るべき!!
私みたいなのが着たって.....
「いーのいーの!!ほら着て!!」
無理矢理試着室に押し込まれた。
「はぁ、仕方ない....」
ワンピースを着て、一緒に渡された
レースのカーディガンを羽織る。
「はーるー....」
そぉっとカーテンから顔を覗かせると...
「わぉ....」
女性客に囲まれてるはるさん。
アレの中心にいる人に声をかける勇気など
私は持ち合わせておりません!!!!
「......。」
ぼーっとアレを見ていると、
この店の店員だと思われる男の人が声を
かけてきた。
「その服似合ってますね」
「そうですか?」
お世辞が上手な店員さんですねー...
「彼氏さんも大変そうですね」
「え?あ、彼氏じゃないですよ」
そう返すと吃驚したようにこっちを見て、
「そうなんですか!?じゃぁあの人の...」
ブツブツなんか言い始めた。
「っはぁ...はぁ....すー...」
「あ、お帰り」
なんか......ドンマイって感じ。
息切れしてるしボロボロだし。
「....誰?」
「この店の店員です。
こちらの商品お買上げでよろしいですか?」
「はい」
く、苦しいんですけど...はるさーん...
店員さんをなぜか超睨んで、
抱きしめてきた。
それから大量に服を買ってモールをでた。
「ありがとうございました」
にっこりしてる店員さんとは対照に、
なんか不機嫌なはる。
「はる?どうしたの??」
怒らせる事したっけ.....?
「....知らない男についてかないで」
知らない男......あ、店員さん?
「ついてってない。試着室の前だったもん」
あれは私悪くない!!
はるが囲まれるから悪いんだ!!
「着替えたならすぐおいでよ」
あの状況でー!?
「や、はる囲まれてたし.....
女の嫉妬は怖いんだよ!!」
あんなとこに行ったら睨みで殺される!!
「.....俺だって嫉妬する」
「....?誰に?」
どこもはるが嫉妬する要素なくない?
「だから!!すーが他の男といるの嫌!!」
「なんでー?」
そんな事言ったって私の知り合い男ばっか。
「っ...すーが好きだからだよ」
「私もはる大好きー」
いつもならここで抱きつくけど
ここ道端だし玲音達に見つかる前に
帰らなきゃいけないからやめといた。
「(嬉しいやら悲しいやら....)」
はるの微妙な笑顔が疑問だったけど
それには触れないことにした。