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知音side
「「ただいまー」」
あれから鈴の事を話合って様子見って事に
なった。
「鈴、ご飯〜」
「.......」
「すずー?」
「......」
玲音がテーブルを見て固まった。
「おいっ...!!知音!!」
「?....っ!!」
なに、これ...冗談でしょ?
【ごめんね、さようなら 鈴 】
やめてよ、心臓に悪いって...
「部屋に、いるよね...?」
前も似たような事があって、
その時は部屋で寝てた。
今回もそうだよね.......?
「玲音...鈴の物が減ってる......」
それも鈴のお気に入りばかり。
「嘘だろっ....なぁ!!」
俺等があんな事聞いたから...?
鈴はスパイなんてしないってわかってても
心のどこかでもしかしたらって思ってた。
「鈴....ッ....」
幹部室を出てく時の悲しそうな目。
「....探そう」
スパイでもいいから........お願いだから、
俺等の所に戻ってきてよ....
「....組は?」
「まだだ」
鈴の居場所を知ってるとしたら一人しかいない。
.......春樹。
「春樹なら...知ってるよね」
「多分...」
鈴がいつでも一番で(俺等もそうだけど)、
鈴の側にいて、鈴が頼る。
「春樹に連絡するか?」
「いや、明日もいつも通り倉庫に来るはず。
来なかったら連絡しよう。
今は情報を集めよう」
鈴の携帯のGPSをパソコンでだした。
「...っ!!携帯変えられてる!!」
「は!?マジかよ...」
GPSがでないだけならまだしも....
携帯を変えられて連絡もできない...
「.....本気だね、鈴」
本気で俺等から離れようとしてる。
「知音、携帯番号調べられるか?」
「ちょっと待って。やってみる」
鈴も一応ハッキング出来るけど、
ほとんどやってないはず......
「駄目だ...でないっ...」
なのに、なんで?
どうして情報をとれない?
「協力者がいる、もしくは鈴が俺等以上の
技術を持っているどちらかだよ」
協力者なら、春樹ぐらいしか考えられない。
けどそうなると...春樹が俺等以上って事?
「わけわかんねぇよっ...」
妹がいないだけで...鈴がいないだけで、
ここまで俺等は取り乱す。
それほど俺等にとって鈴は大事な存在。
「玲音、今日は休もう。明日からは動くから」
「あぁ....」
自分のベッドじゃ寝れなくて、
鈴のベッドで寝ようとするとそこには
玲音がすでにいた。
「同じだよね....」
顔も同じ、声も同じ、髪型も同じ。
そしてこんな時の行動も同じ。
それでも鈴と杏達は見分けてくれる。
「せま....」
いつもなら諦めるけど今は無理。
鈴を感じたい。
ベッドに無理矢理入って目を瞑った。
鈴が見つかる事を願って。