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...さて、久しぶりの仕事だ。
《Alice、頼んだよ》
「了解しました、ボス」
裏世界トップの殺し屋組織【Trick】
の№1Alice -アリス-である私。
「今回の標的は...№5King -キング-」
馬鹿だね。裏切るなんて.....
ここは深い森の奥。
なーんも知らない裏切り者は来た。
「久しぶりだな、アリス」
「えぇ。さよなら、キング」
それと同時に銃で撃った。
即死できるように...痛みを感じないように。
それが私の殺しかた。
「...ボス、完了しました」
《相変わらず早いな。処理は任せろ》
「はい。失礼します」
死んだキングの胸に青い薔薇をおいて
立ち去った。
次の№5は誰になるんだろう?
「.....。」
実を言うと私がアリスという事は、
はるしか知らない。玲音も知音も知らない。
私の最大の隠し事.....
「ふぁ...あれ、鈴起きてたの?」
「...うん」
危な...アリスの姿を見られたら終わりだ。
てゆうか知音こそまだ起きてたんだ..
自分の部屋に入ってベッドに倒れこんだ。
「ごめんなさい....」
一筋の涙と共に眠りについた。
ーーーーーーー......
知音side
「ごめんなさい....」
鈴の部屋から聞こえた消えそうな声。
鈴はなにか隠してる、俺らに。
時折見せる、俺らもビビる程の殺気。
鈴は俺らより強い、それはわかってる。
でも、俺らが知ってる以上のモノ。
「鈴.....」
悪いけど、ちょっと探らしてね。
ガチャ...
ゆっくりと鈴の部屋へ入った。
ベッドに近寄り、携帯に触れようとした。
「誰」
「!?」
首にあてられた冷たいモノ。
...ナイフ?
「起こしちゃった?ごめんね」
とりあえず俺という事を確認してもらおうと
後ろを振り返った。
「あ...知音か...」
俺がナイフだと思ったものはなんと
小型のショックガン...持たせたっけ?
「鈴、それ...どうしたの?」
いや、ナイフも危険だけど...
「え?はるが護身用に持っといてって」
春樹、ねぇ...明日確認しとこう。
それに悔しいけど春樹なら知ってるかも。
鈴が今日の様にたまに夜出ていくわけを...