scene7 遊びの資格
村の畑を眺める。
痩せこけた土地。
痩せた作物。
それでも人は生きている。
「お兄ちゃんは何をしてるの?」
話しかける子供。
「なんにも、何も出来ないんだ。
資格が...ないからさ」
嫌なことを言う。
子供相手に俺は何を言ってるんだ。
「じゃあ、遊ぼうよ。
遊ぶのに資格なんか要らないよ」
「資格が要らない…」
そうだ。
そうだよな資格がなくたって遊べるしなんでも出来るはずなんだ。
「そうだな。遊ぼう」
気持ちの中の影が少し消えた。
村の人間は親切だった。
決して豊かではない暮らしだが不自由がないように手配してくれる。
何か指摘されるのではという恐怖。
いっそ俺の力で殺してしまったら楽になれるのだろうか?
そんな衝動に駆られるが、俺の中に残った良心がそれを止めていた。
村の入り口が騒がしかった。
日々静かに時が流れているこの村には似つかわしくない喧噪。
嫌な予感がする。ただティアの監視は俺の心を圧迫する。
「ダメですよ。」
立ち上がった俺をティアが静止する。
「何か騒がしい何があった?」
「数匹のゴブリンの群れに襲撃されているようですね」
「なんだと!?だったら俺が…」
「じっとしててください。
資格がないのだからどうせ何もできません」
感情のない声。
「無理だ」
そう、俺には村人を見捨てることは出来ない。
俺はティアの静止を振り切り走り出した。




