表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/10

第8話:中級ダンジョンでの初失敗


王都ギルドで新たな依頼を受けたカインは、仲間たちと共に中級ダンジョン「氷結の洞窟」へ向かっていた。低ランクダンジョンとは違い、洞窟内は寒気が漂い、床には氷の結晶が張り付いている。Aランク冒険者のアランとランドも慎重な表情だ。


「ここは滑りやすいし、罠もある。油断は禁物だぞ」

アランが声を低くして仲間に言う。


「たぶん大丈夫……です!」

カインはいつものように笑顔で手を振る。無自覚に最強な少年だが、今回は少し不安が残る環境だ。


洞窟に入るやいなや、氷の床で小型モンスターが待ち伏せしていた。カインは手を振るだけで敵を吹き飛ばすが、滑った拍子に床に倒れ込み、仲間たちの前で派手に転ぶ。


「おい、カイン! 本当に大丈夫か!?」

ランドが慌てて駆け寄る。マークも笑いながらも手を差し伸べる。

「……たぶん大丈夫です!」

少年は照れくさそうに頭をかき、無邪気な笑顔を浮かべた。


しかし、洞窟の奥には氷の巨人「フロストガーディアン」が潜んでいた。巨大な氷の拳を振りかざし、洞窟を揺らす威圧感に、仲間たちは緊張する。


「よし、皆で連携だ!」

アランとランドが前衛、マークが後方支援。カインはいつものようにどじりながら、敵に向かって手を振るだけ。だが、氷の巨人の攻撃範囲が広く、カインは思わず攻撃を避けきれず転倒し、仲間たちも巻き込まれそうになる。


「うわっ、こらカイン!」

ランドが必死に支え、アランが氷の拳をかわすように指示を出す。マークも援護魔法でカバーする。カインは慌てつつも、倒れた巨人の周囲で偶然の連鎖を生み出す。氷の破片が巨人に直撃し、動きを封じることに成功する。


「……た、助かったけど、どうやって?」

アランが首をかしげる。ランドも目を見開き、マークは頭を抱えた。

「たぶん……運です!」

カインは恥ずかしそうに笑いながら答える。


戦いが終わると、洞窟内は静まり返る。仲間たちは互いに顔を見合わせ、少し苦笑いする。カインは無邪気に手を振り、照れた様子で言った。

「皆さん、たぶん、大丈夫です!」


帰路、氷結の洞窟での出来事を振り返るアランとランド。

「……Fランクだって油断してたけど、やっぱり侮れないな」

「どじっ子だけど、最強って……意味がわからん」

マークも笑顔で頷きながら付け加える。

「でも、今回のことで絆が深まった気がするな」


ギルドに戻ると、ギレンはまたも眉をひそめる。

「……お前、本当に0表示で済ませるつもりか?」

カインは肩をすくめ、笑顔で答えた。

「まあ、そうですよね。たぶん!」


マリンは微笑み、カインの頭を軽く撫でる。

「でも、確実に成長していますね」

カインは元気よく手を振る。

「ありがとうございます! たぶん!」


Fランク表示の少年は、初めての中級ダンジョンで少し危険を経験し、仲間たちとの信頼と絆をさらに強めた。どじっ子最強少年は、今日も無自覚に、そして確実に冒険者として成長を続けるのだった。


「さて……次は最上級ダンジョンかな。たぶん大丈夫!」

少年の声がギルドに響き、仲間たちの笑い声とともに、伝説は静かに次の幕を開けた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ