第7話:聖女ミレーヌとの出会い
ギルドでの依頼を終えたカインは、街の中心にある王都教会へ足を運んでいた。今日の目的は、依頼で出会った市民に怪我や困りごとがないか確認することだった。
「さて……どんな人たちがいるのかな?」
15歳の少年は、少し緊張しながらも、どこか楽しげな表情を浮かべる。
教会に入ると、静謐な空気とともに、柔らかな光がステンドグラスを通して差し込む。そこに立っていたのは、15歳の少女、聖女ミレーヌ。長い金髪を後ろでまとめ、青い瞳は優しさにあふれている。彼女は、少年の姿に気づくと微笑んだ。
「こんにちは。あなたがカインさんですね?」
「はい! その通りです! たぶん、大丈夫です」
カインは少し照れながらも、いつもの口癖を口にする。
「ふふ、可愛い口癖ね。でも……本当に大丈夫なの?」
ミレーヌは軽く首をかしげ、少年のステータスパネルをちらりと見た。
――攻撃力:測定不能
――表示:0
「ええっと……まあ、そうですね。たぶん……」
カインは照れ笑いを浮かべ、手を軽く振った。ミレーヌはその無邪気さに、微笑みをこぼす。
「そう……じゃあ、少し手伝ってもらえるかしら?」
ミレーヌは教会の中の小さな花壇や掃除を指差す。どうやら、神聖な場所の管理を手伝ってほしいらしい。カインは元気よく頷く。
「もちろん! たぶん大丈夫です!」
二人で掃除や整理を進める中、カインは小さな失敗を繰り返す。掃除用のほうきで自分の足を叩いたり、花壇の水やりで水を少しこぼしたり。しかし、ミレーヌは笑いながら優しく注意する。
「カインさん、もう少し気をつけてね。でも……可愛いわね」
「えっ、ありがとうございます! たぶん……ですけど」
少年は赤くなりつつ、照れた笑顔を見せる。
作業を進めていると、突然教会の外で小さな騒ぎが起きる。野生の狼の群れが街の外れに現れたのだ。騎士団はまだ到着しておらず、市民たちは逃げ惑う。
「カインさん、お願い! 助けて!」
ミレーヌの声に、少年は自然と反応する。手を振るだけで、狼たちは宙に浮き、地面に倒れる。無自覚ながらも、少年の最強の力が発揮される瞬間だった。
「え、えっと……たぶん、大丈夫です!」
ミレーヌは驚きと感謝の入り混じった表情でカインを見つめる。
「……すごいわ、カインさん。本当にFランクなのに」
カインは恥ずかしそうに笑い、頭をかいた。
「ありがとうございます! たぶん……ですけど」
狼を退けた後、二人は教会の中に戻る。ミレーヌはカインに話しかける。
「カインさん、これからも私たちの街を守ってくれる?」
「はい! たぶん大丈夫です!」
少年の声は力強く、どこか頼もしい。
こうして、カインは聖女ミレーヌと出会い、新たな人間関係を築き始めた。どじっ子で無邪気、しかし無自覚に最強の少年は、街の人々や仲間たちの信頼を少しずつ集めていく。
「次の冒険も……たぶん大丈夫!」
カインの言葉が教会の静かな空間に響き、無自覚最強少年の新たな伝説が静かに幕を開けた。




