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第6話:低ランクダンジョンでの真価


カインたちは再びギルドから依頼を受け、低ランクダンジョン「廃墟の洞窟」へ向かっていた。

「さて、今日も安全な依頼だな」

マークが地図を見ながら呟く。アランとランドは少し退屈そうに、しかし警戒を怠らず進む。カインは元気よく手を振り、道端の石や小枝で転びそうになりながらも笑顔だ。


「たぶん、大丈夫です!」

その口癖は仲間たちの耳にもう慣れたものの、毎回ヒヤヒヤさせられる。


洞窟に入ると、湿った空気とひんやりした岩肌が足元に広がる。すぐに小型ゴブリンが姿を現し、仲間たちは構える。

「俺が先に行く!」

アランが剣を抜くが、カインはただ手を振るだけでゴブリンを宙に飛ばす。

「え……またかよ」

ランドが目を見開く。マークも笑みをこぼし、思わずツッコミを入れる。

「おいおい……Fランクのくせに、どこまで最強なんだ?」


洞窟の奥に進むと、罠が仕掛けられた通路に差し掛かる。慎重に進むアランとランドだが、カインはいつものように転びそうになる。しかし、その偶然の動きで罠は作動せず、仲間たちはほっと胸をなで下ろす。

「……どうなってんだ、このFランク」

マークが呟く。カインは恥ずかしそうに頭をかき、笑顔で答える。

「たぶん、運です!」


洞窟の奥深くで、小型ボス「岩石ゴーレム」が出現した。大きな石の腕を振りかざし、襲いかかる。アランとランドが前衛で戦闘態勢に入り、マークは後方支援。


しかし、カインは無意識に動くだけでゴーレムの攻撃を避け、偶然のジャンプや転倒でゴーレムを揺らす。その衝撃でゴーレムはバランスを崩し、地面に倒れた。

「……また、お前か」

アランが絶句。ランドも口を開けたまま固まる。マークは笑いながらも頭を抱えた。

「いや、やっぱりお前、ただのFランクじゃないぞ……」


戦闘が終わると、カインはにこやかに笑い、仲間たちに手を振る。

「たぶん、これで大丈夫です!」

マークは少し照れながら頷き、アランとランドも半信半疑ながら笑った。


洞窟を出た後、仲間たちはカインの無自覚の最強ぶりを改めて実感する。

「……次からはFランクってだけで舐められないな」

ランドがつぶやく。アランも頷き、マークはにっこり笑った。

「まあ、でも楽しい冒険だったな」


ギルドに戻ると、ギルド長ギレンはカインの帰還を見て眉をひそめる。

「……やっぱりお前、Fランク表示なのに恐ろしいな」

カインは肩をすくめ、笑顔で答える。

「まあ、そうですよね。たぶん!」


マリンは微笑みながらカインの頭を軽く撫でた。

「でも、確かに成長していますね」

カインは元気よく手を振る。

「ありがとうございます! たぶん!」


Fランク表示の少年は、仲間たちの信頼を少しずつ得ながら、無自覚に最強の力を示し続ける。どじっ子らしい失敗と偶然の活躍が、冒険者たちの心に驚きと笑いをもたらすのだった。


「さて……次はどこに行こうかな。たぶん大丈夫!」

カインの声がギルドに響き、仲間たちの笑い声とともに、低ランクダンジョンでの真価が確かに刻まれた。


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