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第5話:王国騎士団との初接触


森の迷宮から戻ったカインは、ギルド長ギレンの言葉を受けて王国騎士団本部へ向かっていた。

「王国騎士団……なんだか緊張するな」

15歳の少年は少し肩をすくめながらも、どこか楽しげな表情を見せる。どじっ子でありながら、無意識に最強の力を持つカインにとって、騎士団の試練もまた一つの冒険に過ぎなかった。


本部の門をくぐると、若い騎士たちが整列して訓練している。中でも目立つのは、17歳の団長バルトと、16歳の副団長ダニエル。バルトは鋭い眼光でカインを見下ろし、ダニエルは冷静に観察していた。


「なるほど……Fランクの冒険者か」

バルトは腕を組み、微かに笑みを浮かべた。

「見た目は普通の少年だが、果たして実力はどうか……」

ダニエルも眉をひそめ、カインのステータスパネルを確認する。

――攻撃力:測定不能

――表示:0


「……0か」

ダニエルは小さくつぶやき、首をかしげる。常識では考えられない数値だが、表情を変えずにカインを見つめる。


ギレンから紹介を受けたカインは、軽く頭を下げて挨拶した。

「初めまして、カインです! よろしくお願いします!」

無邪気な笑顔に、バルトは少し眉を上げる。

「ふん……無邪気すぎるな」

ダニエルは淡々と答え、少年の動きを観察している。


バルトはカインに試練を提案した。

「まずは護衛任務だ。小規模の商隊を守るだけだが、そこでお前の実力を見せてもらう」

カインは手を挙げて元気よく答える。

「はい! たぶん大丈夫です!」


護衛任務当日、カインはマーク、アラン、ランドと共に商隊に同行。道中、小型モンスターが現れたが、カインは手を振るだけで敵を吹き飛ばす。

「え……またか……」

アランが口を開けて絶句し、ランドも目を丸くする。マークは少し笑みを浮かべ、呆れた表情だ。


商隊を守り抜いた後、バルトは評価を下す。

「……見た目Fランク、実力測定不能。だが、護衛任務は完璧だな」

カインは照れ笑いを浮かべ、手を振る。

「たぶん、大丈夫でした!」

ダニエルもわずかに頷き、少し驚いた様子を見せた。


騎士団の試練を終えたカインは、帰路の道で仲間たちに声をかける。

「皆さん、今日はありがとうございました! たぶん、問題なかったと思います!」

マークは笑顔で頷き、アランとランドも少し照れたように微笑む。

「……このFランク、ただのどじっ子じゃないな」

「そうだな……信じられない力だ」


カインは無邪気に笑い、森や街の景色を楽しむように歩く。Fランクの少年が、王国騎士団の前で無自覚に最強の力を示した瞬間だった。

そして、ギルドでも騎士団でも、誰もカインの本当の実力を正しく評価できない。だが、周囲の期待と信頼は少しずつ育ち始めていた。


「さて、次の冒険も……たぶん大丈夫!」

少年の言葉が風に乗って街に響く。

どじっ子最強少年の伝説は、王国騎士団をも巻き込みながら、静かに幕を開けたのだった。


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