表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】アーデルハイドは知らない─黒髪黒眼なのに期待はずれと追放された魔族は、痛みを以て魔界をぶっ潰します─  作者: 米奏よぞら
第一章(九歳)

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

6/34

05.封魔の書

様子のおかしいルーカスを見て、アイザックが心配そうに声をかける。


「ルカ様、その本は?」


「封魔の書だよ。さっき魔族の兄上に頂いたんだ」


「魔族の兄上?初めてお聞きしますが、信用できるんですか?」


「イザヤ兄上は少し変わってるけど、僕に危害を与えることはないよ」


言葉を選びながら言い切ると、アイザックが片方の眉を僅かに持ち上げる。


「魔界のご家族とはあまり関わりがなかったとお聞きしていましたが」


「フリードリヒ兄上とイザヤ兄上だけは違うんだ。特にイザヤ兄上は、僕にだけブラコンだったから」


「ブラコン……?」


「幼い頃に一度だけ兄上の部屋にお邪魔したんだけど、僕の隠し撮りやぬいぐるみが沢山あって怖かった」


「それはブラコンではなく過激なストーカーでは?」


「うん、そうかもしれない」


魔王城にいた頃はアーデルハイドに取り入るための演技だと思っていたが、フリードリヒの話を聞く限り違ったようだ。

だから危険なものならプレゼントしないはずなのだが。

先程のページを訝しげに眺めていると、アイザックが覗き込んできた。


「何も書かれていませんね」


不思議そうなアイザックの言葉に驚きの声を上げて振り返った。


「この文字、見えないの?」


「逆にルカ様には何か見えているんですか?」


「僕を主として認めるって」


そう言った途端、次のページに再び文字が浮かび上がった。


[ルカなぞいう勇者の弟子は知らん。我の主は魔王の後継者であるアーデルハイド様、ただお一人である]


…………なるほど、

最早驚きを通り越して冷静になってきた。


「アーデルハイドの名に於いて命じる。封魔の力による代償を示せ」


意識的に低い声を出すと、見開きのページに次々と文章が記された。


(勝ったな……)


誇らしげに笑っていると、アイザックがわざとらしく明後日の方向を見ていることに気がついた。


「アイク?」


「いえ、お構いなく」


声をかけると、お得意のアルカイックスマイルを返された。


「俺は空気の読める男ですから。例え主が厨二病に目覚めても見て見ぬふりしますよ」


「違うよ?これが封魔の書の適切な使い方なんだって」


「そうなんですね、相変わらず何も書かれていませんが」


「分かった、そこまで言うなら読みあげるよ」


顔が赤くなっているのを感じながら、本に視線を落とす。


「『ご存知の通り、封魔の力は全ての魔法を無効化したり、二倍にして反撃したりできる特別な力であります。一方で、その力の行使にあたり代償があるのもまた事実。以下に、二つの項目で纏めさせて頂きます』」


「二倍にして反撃できるとか、チートすぎません?」


「それは僕も思ったけど、今いいところだから黙ってて!」


──やっぱりアイザックは元気な方が似合うな。

すっかり元通りの専属護衛にルーカスは満足気に頷いた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ