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【完結】アーデルハイドは知らない─黒髪黒眼なのに期待はずれと追放された魔族は、痛みを以て魔界をぶっ潰します─  作者: 米奏よぞら
第二章(十五歳・前編)

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19.浮気はダメ、絶対

「アーデルハイド様」


ルーカスとアイザックしかいないはずの訓練場に、冷えきった声が静かに響く。

不思議に思い周囲を見渡すと、入口にリアの姿があった。


「やあ、リア。いつからそこにいたの?」


笑顔で話しかけるが、リアは依然として無表情なままだ。

──というか、少し怒ってるようにも見える。


「あのスレンダー体型がここに来た時からですわ」


「スレンダー体型?」


「あら失礼、美人な上級生でした」


愛想よく笑うリアから冷気が漂っているのは気のせいだろうか。


「あちらの可愛らしい御方は?」


「クラスメイトのリアだよ。魔界から僕を追いかけてきたらしい」


「魔界から?なぜです?」


「書類上の婚約者なんだよ」


「こんやくしゃ……婚約者!?俺は許してませんよ!」


まさかアイザックの許可がいるとは思わなかった。

そもそもルーカス自身もこの婚約関係は解消したいのだが。


「アーデルハイド様、私に至らぬ点があるなら仰ってくださいませ」


据わった目で言うリアに苦笑を漏らす。


「リアに足りないものなんてないよ」


「ではなぜ浮気するの?」


浮気、という言葉に過敏に反応したのはアイザックだ。

気がつくと彼はリアの後方に回っていた。


「俺はそんな風に育てた覚えはありません」


だってアイザックに育てられてないし。

護衛が私情を持ち込んで主に説教するこの図はなんなんだ。

アイザックもさっきまでノリノリで応援していたじゃないか。


「ルカ様に婚約者がいらっしゃると知っていれば、サポートなんてしなかったのに。むしろフリードリヒ様に感謝します」


「あのね、僕たちは政略的な理由で婚約させられただけだから、お互いに気持ちはないんだよ」


熱くなっているアイザックを宥めようと思っての言葉だったのだが、


「そんなことありませんわ!私はアーデルハイド様をお慕い、申し、…………………」


真っ赤な顔を隠すように俯くリア。

これには流石のルーカスも照れてしまい、何も言えなくなってしまう。

こういう時だけ変に空気を読んで黙るアイザックは本当に使えないと思う。


「と、とにかく、私と婚約しているのですから、余所見は程々になさって下さい。それでは、失礼致します!」


こちらには目もくれず走り出したリアを眺めていると、ぽんと肩に手を置かれた。


「ルカ様、ああいう時は『僕も好きだよ』くらい言った方がいいですよ」


得意げに笑うアイザックの顔は今日もすごく格好良い。


「美人な彼女に六股されて別れた男はいいこと言うね」


ちょっとした冗談は、思いの外深く刺さったらしい。

しゃがみ込んで重い溜息をつくアイザックの頭をよしよしする羽目になるルーカスであった。



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