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1、今までになかったもの

些細なきっかけで人生がガラっと変わってしまう 一ノ瀬 神楽[いちのせ かぐら]。人を信じることを止め、期待をしなくなっていく。誰も信じることなく助かりを求める事も助けられることもないそんな地獄のような日々が始まる。

[人を信じる。]俺はそれができなくなった。忘れもしない。中1の九月のころ、文化祭の劇の練習を体育館でしている時のことだった。体育館の角で首を回してる扇風機の近くで休んでいる時だった、

[神楽ってさ1番仲良い女子って誰?]

俺が壁にもたれかかって台本を確認している最中だった。隣で座っていたさやが聞いてきた。

[え?仲良い女子?、、、瑠美ちゃんかな]

[え、瑠美?しかもちゃん付け?]

俺が瑠美のことをちゃん付けしたことを不快に感じたのか龍が俺に間髪入れずに聞いてきた。

[いや。別に良くない?そんな気にすることじゃねぇだろ]

少し笑いながら俺はそう言った。龍はニヤケながらさやと目配せでもするかのように目を合わせて笑っていた。俺はそんな二人をみて首を少し傾げた。

[神楽ー次お前のとこだそー休んでないで早く来いよー。]

二人に違和感を覚えながら俺は劇の練習に参加するためみんながいるとこに向かった。まさかこんな些細な事で俺の今後が変わるなんて思いもしなかった。

 翌朝、眠い目を擦る俺を暑さで覚そうと照らす太陽を嫌いながらクーラーの効いた涼しい教室に向かった。教室のちょうど真ん中にあるクーラーが一番くる自分の席に感謝しながら俺の一日が始まった。

[この問題をーじゃあ神楽、答えてみろー。]

まじかよ、そう思いながらも、席を立ち答えようとしたその瞬間だった。

[頑張れー瑠美ちゃーん。]

[お、瑠美ちゃん答えれるのー?]

次々とそんな声が聞こえてきた。俺は驚いた。でも周りから無頓着で鈍感と散々言われている俺からしたら笑って誤魔化せるぐらいのこととしか思っていなかった。そんななかふと瑠美の方を見た。瑠美は下を向いていて顔をあげようとはしなかった。幼馴染である俺は瑠美が悲しんでいる、最悪の場合泣く、彼女をみて直感的にそう感じた。俺はかなりの衝撃をうけた。彼女が泣きそうになったのがほとんどなくその姿を今久しぶりに見るのではないかそう思うと急に体が冷え震えそうになった。クーラーのせいか鳥肌もたっていた。

[そんなこと言わないの。ほら神楽も席に座って。]

慰めるかのように先生が言うまで俺は気を失っているかのように立ったままだった。言われるがまま俺は座った。初めての動揺でこんなにからかわれた初めてだった。俺は自分の瞳が揺れているのが分かるほどに冷静さを欠いていた。シャーペンを握ろうとしても震えている手ではどうも上手く掴めなかった。何度もシャーペンを落とす俺に追い討ちをかけるかのようにみんながからかうその度に体がどんどん冷えていくのが分かった。この日を堺に俺の日常が地獄のように変化していった。

 俺は瑠美のあの姿が忘れられないまま教室に入りクーラーの一番効く席に座った。すると今までのクラスの雰囲気が嘘みたいに変わっていた。耳を澄ませば聞こえてるのは俺の陰口や悪口そして瑠美のことしか話していなかった。下を向いていないと常に誰が俺のことを指差して笑っていた。いつも話していて仲が良いいと思っていた奴らも俺のことを笑っていた。そんな友達の姿を見て俺は裏切られたような感じがした。誰にも助けを求めることができなくましてや手を差し伸べてくれる人さえもいなかった。それはクラスメイトだけでなく他クラスの同級生もだった。これが俺だけの被害で収まるのならなんてことなかった。人を傷つけない、それが俺のモットーだったからか幼馴染であり一番仲の良かった瑠美が傷ついているその事だけはどうしても放っておく事ができなかった。そしてそれは俺のせいである事もまた自分自身を傷付けていた。

この事を先生や親に言ってしまうとさらに酷いことをされるのではないか、そう思うと怖くて動けずにいた。

 その日から俺は助けを求めようとして友達と思っている人たちの輪の中に入って安心するようになっていった。たが俺がいることでその輪の人達の印象が下がっていることに気づいた俺は瑠美だけでなく友達をも傷付けるのではないかと思い一人で行動するようになった。だがその友達も俺を助けようとはしなかった。俺の目からは友達ともみれなくなっていった。そして俺は月日を重ねてやっと気づいた。それは、頭で考えるよりも先に言葉にしていた。

[あれ?俺、、、友達、、居なくね?てかこれっていじめじゃね?]

俺そう口にした時には震えて泣いていた。友達がない誰にも助けて貰うことができない、心からそう思った。小学校では学校の中心的な存在であったからこそ俺には初めての感覚だった。そして怖くなった。自分はいじめられている考えたくもないがそう受け取られずにはいられなかった。

 俺は学校に行くのが怖くなった。昼休みに何も考えずに俺はいつも一緒に外で遊んでいる友達の所て走って向かった。今思えばなんて馬鹿な事をしたんだろうと思う。だかその頃の俺は必死だった。一人になるのが怖かったからだ。嘘の友達でも良いから側に居て欲しい、そう思うぐらいに。案の定、俺が走ってその所に向かっているのを校舎の三階の廊下の窓から見つけた人達は

[神楽がきたぞー、お前等逃げろー]

走れ走れー、と次々に言ってきた。俺はどうすることもできなかった。校舎に入ってもその場所に行っても助かることはないと感じた。俺泣きながら外のトイレに駆け込んだ。こんな日が毎日続くのかと思うと泣き止む事ができなかった。

 人生なんてつまらない。そう感じた。『死にたい』何度もそう思った。俺は何度も自殺を試みた、思い返せば両親が寝ている夜中にこっそりと台所に向かい何度包丁を手にとってただろうか。俺の心と体はもうとっくに限界を迎えていたんだと思う。本当にいつ死んでも良かった。迷いもなかった。ただ、死ぬ事もやはり怖かった、でも一人になることの方が死ぬことよりも怖くて堪らなかった。

 そんな日常がいつまでも続いた。瑠美は今までは俺のことを神楽君と呼んでいたが、いつしか神楽と呼ぶようになった。俺は少し悲しい気持ちになった。人に期待をしない、変わらない日常が続く中で俺はこの気持ちが根を張るように俺を支配していった。初めから期待なんかしない、助かりを求めない、全ての事は自分で全てなんとか解決する。そう自分に言い聞かせていかないと平常心が保てないようになっていった。

 中3にもなると部活が終わり家に帰る時間も早まり心にも余裕を持てるようになり安定するようになっていた。だが学校では相変わらずの日常でただ一人で学校生活を送る事には変わりはなかった。しかし、この生活は急に変わった。小学校の頃剣道を俺はやっていた、その時の同じ剣道仲間でありクラスメイトでもあった和希が急に話しかけるようになった。それまで俺のことを遠くから別のクラスメイト達と見ていたのにも関わらず急に話すようになった俺は戸惑いながらも久しぶりの感覚に嬉しさを感じた。彼のなかで何があったのかは今でも分からずじまいだか、彼を中心に俺に話しかけてくれる人が増えていった。何があったのかさっぱり分からなかった。でも、今まで散々言ってきた人達が急に話しかけても疑わずにはいられなかったし、恐怖心が消えることは一度たりともなかった。周りに流されてたまたま俺と同じ輪の中にいるという人の方が多く俺が話したり話題が振られるとにやけたり笑う人も少なくはなかった。だがそうじゃない人も少なからずいてそんな人たちと話すのはとても幸せな時間であった。いつしか俺はその人達を大切にしたい、そう思い友達という存在を思い出しその人達を信じる気持ちも増えていった。お陰で学校生活は薔薇色とまではいかないが、少しずつ楽しくなっていった。

 中3の三月、俺はなんとか中学校を卒業することができた。今思えば、和希が話しかけてくれなかったら、中学は卒業できていなかったし今の俺も居ないと思う。小学生の頃に思い描いていた中学校生活とは遠くかけ離れていて楽しいかったとはいえなかったが何か大切なものを思い出せた三年間だったと思う。ただ解決していない事も沢山ある瑠美のことや自分自身のことなど決して放っておいて良い問題ではない。俺自身まだ人と話す恐怖心や人を信じる事ができる状態ではない。俺も瑠美も地元の高校に行く事を決めている。クラスは異なることになるが俺はこの沢山の問題を高校生活で一気に解決し、本当の自分の取り戻すことを決めている。人生なんてつまらない、そう思うことのない華やかでもなく地味でもないそんな高校生活を送ることを志している。俺の第二の人生はこれからだ。

これは実際に私が体験した話でありもっと詳しく書くことがあまりできなく、高校生活も合わせて書こうか迷っている所です少しでも良いと思って下さったら幸いです。未定ですがさらに詳しく描写し内容を濃くして高校生活をメインにした小説にしたいと思っています。この作品を元にして長編小説にしたいので是非読んでいただけたら光栄です

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